iPhoneのホーム画面は、その人自身を映しだす"鏡"です。なにが好きなのか、なにを気にしているのか見てとれますし、その人の性格まで見えてくることもあります。本稿では、女子のiPhoneのホーム画面から、化粧などの外見や男女の恋愛に関する心理に詳しい心理学者であり、大学教員の平松隆円氏が、持ち主の性格や心理、行動をプロファイリングします。本稿を参考にすれば、ホーム画面さえみることができれば、その女子の口説き方までわかるかも!? 今回はTさん23歳のホーム画面です。

本稿の最後には、Tさんの反応も掲載しますので、みなさん自身のプロファイリングと比べて当たっているかどうか確認してみてくださいね。

Tさん

1枚目

2枚目

3枚目

さて、今回の女性はホームスクリーンが3枚です。一見して音楽好きとわかる壁紙ですよね。ですが、ちょっとボクとは音楽の趣味が違うようなので、誰だかわかりませんでした。ごめんなさい(ちなみにボクは、Pit BullとかFLORIDAとかクラブミュージック派なんです)。

実際に、歌詞表示機能がついているプレイヤーアプリの「musicXmatch」や定額制の音楽聴き放題サービスの「KKBOX」、世界中のラジオが聴ける「Tuneln Radio」がインストールされています。おそらくは、邦楽よりも洋楽なんだろうとは思うのですが、“音楽好き”ということは間違いないでしょう。彼女と一緒にいっしょにCD ショップに立ち寄って、彼女の好みをこっそりリサーチしてみるのもいいかもしれませんね。そして、ライブやクラブに誘ってみてはどうでしょうか。

音楽系のアプリが多く並んでいる

ところで、ボクが気になったのはフィナンシャル系アプリの多さです。「三菱東京UFJ銀行」はわかりますよね。ですが、一枚目のホームスクリーンに「為替早見表」があったり、ほかにも「iMoney・外貨為替換算」というこちらも為替早見表系のアプリがダウンロードされています。はたして為替を調べるアプリが2つも必要なのでしょうか。海外旅行に行くことが多いのかといえば、旅行系アプリはなく、またFX(外国為替証拠金取引)に関するアプリもありません。実用的な必要性からダウンロードしているとは、ちょっと考えられないんです。

為替系のアプリも充実

それに加えて気になったのが、ゲーム系アプリです。そのなかのひとつに、数字パズルゲームの「2048」です。そのあたりで考えると、きっちりとした性格の女性かなと思います。数字に関するアプリが多いからといってリケ女とまでは言えませんが、女の子っぽい、ふわっとしたニュアンスの女性というよりは、“男の子っぽい”、“論理的で現実的な性格の持ち主”かもしれませんね。これは、カメラ系アプリが一般的な「Instagram」や自撮り向けの「Visage Lab」くらいしかないこと考えてもそう感じます。

ほかにダウンロードされているアプリで気になったのは、情報収集のためのキュレーション系アプリが多いことです。「SmartNews」や「グノシ—」をはじめ、ほかにも色々とダウンロードされています。これは、流行に敏感だからというよりも仕事柄、情報収集のためと考えたほうがいいような気がします。

この女性はスーツをちゃんと着こなしているようなしっかりしている感じで、でも“仕事帰りにそのスーツを着たままライブハウスに行っちゃうような男性”が好みかも。いずれにしても、音楽をきっかけとして、物事をはっきりとさせながら仲良くなっていくのが良いのではないでしょうか。

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Tさん「男の子っぽいとしょっちゅう言われます! むしろぶりっ子大嫌い」

以上のプロファイリング結果をTさんに報告すると、「面白いですね。笑っちゃうくらい当たってますよ」と大笑いで話してくれた。“音楽好き”については「そうそう、邦楽より洋楽の方が断然好きです」と大満足の様子だった。

また、“男の子っぽい”という分析結果には、「しょっちゅう言われますよ。友だちにも彼氏にも」と、これも当たっているようだった。ただ、そう言われることも嫌ではないようで、「私自身が、ぶりっ子とかキャピキャピしてる女の子嫌いなんですよ。キャラ作んなよ! って感じで」と世の中の女性に訴えていた。

好きな男性のタイプについては、「分析通りです。きちんと仕事するけど、ちゃんと遊ぶ。メリハリのある人がいいですね。私はアクティブに遊びたい派なので、仕事帰りのライブ最高です」と自身の恋愛観を披露してくれた。

ちなみに、「為替系」のアプリが多かったことについては、「これは、以前海外旅行に行った際にダウンロードしたもので、そのまま残ってしまっているだけです。現在は全然使ってないですよ」と照れくさそうに話していた。

平松隆円…化粧心理学者/大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。