JR神田駅から神田警察通りを歩くこと3分、"1406"と表記されたカフェ&ダイニングが目に飛び込んでくる。中をうかがうと自転車がディスプレイされており、「スポーツをコンセプトにしたカフェかな」と想像できるのだが、話を聞いてみるとちょっと意外な空間であることが分かった。

「Cafe1406」の2階では、大きくとられた窓から神田警察通りを見下ろせる

約226km=140.6マイルゆえに「Cafe1406」

"1406"が見えてきたらそこが「Cafe1406」

この「Cafe1406」の"1406"は、トライアスロンの最高峰「アイアンマンレース」における、スイム、バイク、ランの合計距離が由来。スイム3.8km+バイク180km+ラン42.195km=約226kmをマイルで示すと140.6マイル、それを分かりやすくオシャレにしたのがこの店名である。

トライアスロン歴約5年のオーナーは、「"トライアスロンカフェ"なんていうと、『自分には関係ないや』と敬遠してしまうかもしれない。そうではなく、大人が身体を動かしてあらためて健康を考える、また、食事管理も含めて自分と向き合える、なにより仲間と集える、そうした場所を提案できればと思ったんです」と話す。構想から3年を経て、8月8日、ランナーの聖地になっている皇居からも1.2kmの場所にオープンした。

カフェの中でトレーニングも可能

店内はというと、大きくとられた窓にナチュラルインテリア、打ち放しコンクリートの階段などと、ストイックなイメージがあるトライアスロンとは趣が異なる様子。しかし、インテリアを見てみると、ロンドン五輪トライアスロン日本代表・細田雄一選手のユニホームや、トライアスロンで使用するキャップなどが飾られているなど、さりげなく"アスリート心"を刺激してくれる。

特に2階にはランニングとバイクができるトレーニングマシーンがあり、300円/30分から使うことができる。マシーンは事前予約も可能で、8月いっぱいはサービスとして30分無料となっている。また、シャワーもあるので(200円/1回)、店内のトレーニングマシーンのほか、皇居ランニングの帰りに立ち寄ってご飯&一杯というプランも可能だ。2階建ての店内では40人規模の貸し切りイベント・パーティーにも対応し、今後は出勤前の早朝ピラティスや都内の名所を行くランニングなどのイベントも企画していくという。

事前に予約も可能なトレーニングマシーン。汗をかいた後はシャワーでリフレッシュ。レンタルバスタオルもある(200円)

身体にもおいしいヘルシーメニュー

店で提供する料理も、身体つくりを意識したヘルシーメニューを用意。アスリートフードマイスターでトライアスリートの村山彩さんが月替わりでプロデュースするプレート(8月20日から)や、乳化剤・香料・加工でんぷんなどを使わず九州の生産者と育てた「九州パンケーキ」を用いたメニューもそろう。スポーツの後にサッと味わいたいアサイーボウルやグリーンスムージーはもちろん、ビールやワインなどのお酒もあるので、仲間との打ち上げにもぴったりだ。

ディナーには村山彩さんがプロデュースする「一汁三菜プレート」(1,600円)を

「アサイーボウル」(600円)と「グリーンスムージー」(500円)

ランチメニューの「九州パンケーキ エッグベネディクト」(900円)と「選べる本日の生パスタ」(950円)。ともにサラダとフリードリンク付き

ディナーメニューの「サーモンマリネ 海藻と玉ねぎのサラダ」(900円)、「ガーリックトースト」(500円)、「仔鴨ムネ肉のロースト ベリーソース」(1,800円)

内神田という場所柄、オフィスワーカーの利用も多いようだが、身体をいたわるヘルシーメニューはアスリートのみならず、不規則な食生活のビジネスパーソンにとっても心強い味方だろう。「なにも、トライアスリートだけがターゲットではないんです。ひとりでのジョギングやサイクリングからもう一歩踏み出したい人、東京マラソンに当たったけど完走できるか不安な人など、スポーツと向き合い始めたばかりの人にも、気軽に楽しんでもらえたら」とオーナー言う。

店内にはトライアスロンや自転車などの雑誌や書籍などもあり、スポーツを趣味にしているスタッフもいる。今後は栄養管理やトレーニングをフォローするサービスやイベントも予定しているようなので、まずは身体にもおいしい料理を味わいつつ、自分とスポーツをつなげるきっかけをここで見つけてみるのもいいだろう。

※記事中の価格・情報は2014年8月取材時のもの。価格は税込