イー・アクセスとウィルコムが合併して誕生したワイモバイルは、8月1日より新ブランド「Y!mobile」のサービスを開始した。また、サービス開始にあわせ、全国で1023店舗のワイモバイルショップを装い新たにオープンした。

"第4のキャリア"として登場したワイモバイルのショップには、どのような新しさがあるのか? 他キャリアのショップと何か違うのか? 本稿では、都内にあるワイモバイルショップ「ワイモバイル恵比寿」を取材したので紹介していこう。

ワイモバイル恵比寿

ソファに座ってゆったり! ケータイショップの新たな形

JR恵比寿駅の東側、駅から徒歩約3分の場所に位置するワイモバイル恵比寿は、全国に数店舗しかないワイモバイルの"コンセプトショップ"のひとつ。同店の特長は、スマートフォンやアクセサリー、ガジェットなどの展示スペースに加え、複数の丸テーブルを配置した接客スペースを備えている点だ。

丸テーブルとソファを配置した接客スペースが特長

携帯電話のキャリアショップといえば、長テーブルなどを仕切りで区切ったカウンター席での接客をイメージする人が多いだろう。番号札を引いて順番待ちし、自分の番になったら客がカウンターに出向くというのが一般的だ。

しかし、ワイモバイル恵比寿ではカウンター席を使用せず、接客スペースに丸テーブルとソファを配置。来店者が座っている丸テーブルにスタッフが出向くという新感覚のスタイルとなっている。丸テーブルでは、スタッフからサービスや製品の説明を受けたり、各種相談を行えるほか、契約手続きも行うことができる。

丸テーブルを使って接客するスタイルについて、同店店長の福士隆弘氏は「新しいケータイショップの形」だとし、「ゆったりとした空間で、お客様にはワイモバイルのサービスや製品をじっくり知っていただける」と話していた。また、従来のカウンター席の接客スタイルと比べて、「お客様との距離が近づいたように感じる」とも語ってくれた。

店内では、スマートフォンやタブレットが展示されており、その場で触って試すことも可能。また、スマートフォンケースをはじめとするアクセサリーや、スマートトイなどのガジェットも取り扱っている。接客スタイルだけでなく、展示も含めたショップ全体として、新しいケータイショップのあり方を追求しているのが分かる。

平日は30代から50代のビジネスマンが多く来店

元々はイー・モバイルショップとして営業していた同店。リニューアルオープン後は、テレビCMを見て来店した人も多いという。また、看板のロゴも「Y!mobile」にリニューアルし、外観も一変したため、「こんな店、あったっけ?」と物珍しそうに眺める通行人もいるとのこと。

スマートフォンのほか、タブレットやPHS端末、ガジェットなども展示されている

スマートフォンケースなどのアクセサリーも取り扱う

来店する客の年齢層は、若者からシニアまでと幅広いが、恵比寿ガーデンプレイスなどにも近いオフィス街のため、「平日は30代から50代のビジネスマンの方が多い」(福士氏)とのことだった。また、来店し、実際に契約に至ったケースでは、新規契約とともに他社からの乗り換え(MNP)が同程度に多く、「他社よりも料金が安く、(1回10分以内、月300回までの)無料通話もあること」(福士氏)が、他社から乗り換える理由になっているという。

最も人気のプランは、月額2,980円の「スマホプランS」とのことで、機種としては、8月1日に発売されたAndroidスマートフォン「STREAM S」や、Google製のAndroidスマートフォン「Nexus 5」を購入する人が多いという。

ワイモバイルのおもなラインナップの展示

ワイモバイル独自の格安プランが最大の目玉

ワイモバイルのサービスで一番の目玉となるのが、スマートフォン向けの同社独自の格安プランだ。高速データ通信容量が月間1GBまでの「スマホプランS」が月額2,980円(以下、金額はすべて税抜)、月間3GBまでの「スマホプランM」が月額3,980円、月間7GBまでの「スマホプランL」が月額5,980円という3種類が用意され、各プランとも1回あたり10分以内の国内通話を月300回まで無料で利用することが可能。

8月1日のサービス開始と同時に発売された「STREAM S」

「STREAM S」に並ぶ主力機種の「Nexus 5」

無料通話に関して条件があるものの、主要3キャリアの料金プランと比べてかなり割安になっている。また、月額1,000円を追加することで、国内通話が完全定額となる「スーパーだれとでも定額」というオプションサービスも用意。同店を訪れた客に対しては、現在のスマートフォンの料金を聞いて、同社のプランを提案しているという。

Tポイントプレゼントなどのキャンペーンも

ワイモバイルでは、サービス開始に合わせ、各種キャンペーンを展開している。スマホプランS/M/LまたはPocket WiFiプランに契約し、Yahoo!サービスの利用開始設定をした人に"Tポイント"500ポイントをプレゼントする「Tポイントプレゼントキャンペーン」のほか、スマホプランM/Lを初月のみスマホプランSの月額2,980円で利用できる「スマホプランM/L お試しキャンペーン」を実施中。

また、Yahoo! JAPANにアクセスすることで"マイル"が貰え、"マイル"を貯めることで、データ容量が追加される独自の"パケットマイレージ"に関して、1日7マイルがプレゼントされる「パケットマイレージスタートキャンペーン」、"Yahoo!プレミアム"とパケット500円分が付いた「Enjoyパック」(月額500円)が最大3カ月無料になる「Enjoyパック月額料無料キャンペーン」などを実施している。

店内に飾られているポスター

店頭のPOPでは格安な料金プランをアピール

ワイモバイル恵比寿店長からのメッセージ

最後に、ワイモバイル恵比寿店長の福士氏に、マイナビニュース読者へのメッセージを伺ったところ、「ワイモバイルショップでは、ホームページでは分かりづらいことをスタッフが丁寧に説明します。また、お客様の現在の利用状況をヒヤリングして、最適なプランを提案していきたいと思います。ぜひ、お気軽にご来店ください」と語ってくれた。

「ワイモバイル恵比寿」店長の福士隆弘氏

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今回取材したワイモバイル恵比寿は、全国のワイモバイルショップの先駆けとなる存在であり、今後、ワイモバイルでは同様のスタイルでのショップ展開を考えているという。来店者と親密なコニュニケーションが取れる接客は、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクモバイルなど各社のショップにはない独自のスタイルと言えるだろう。スタッフに親近感をおぼえ、気楽にコミュニケーションできるのが同店の特長と言えそうだ。

主要3キャリアの料金プランが横並びとなる中、ワイモバイルは独自の格安プランでサービスを開始し、キャリアショップでも新たなスタイルを導入するなど、差別化を図っている。また、"格安スマホ"では競合となるMVNOサービスに対しては、全国1023店舗のワイモバイルショップがサービスの紹介やサポートの窓口として大きな差別化要素になると言える。ワイモバイルのサービスについて興味を持ったら、ぜひ近くのワイモバイルショップを訪れてみてはいかがだろうか。