昨年の夏に放映されたテレビアニメ『君のいる町』のオープニングテーマ「センチメンタルラブ」でデビューを飾った"新世代視聴覚ユニット"を掲げる2人組、みみめめMIMI。デビュー以降、キャラクターのMIMIを前面に打ち出し覆面で活動してきたが、6月に行われた初ライブで、作詞曲&ボーカルを務めるユカと、「君のいる町」で神咲七海役を演じた声優・タカオユキが同一人物であることを公表。あらためて注目を集めている。そんな中、UNISON SQUARE GARDENの田淵智也やクラムボンのミト、湯浅篤、前山田健一らクリエイター/編曲陣を迎えてのファースト・アルバム『迷宮センチメンタル』が完成。8月13日にリリースされた。

タカオユキが作り出す音楽("みみ"は耳=音楽を意味)と、大学時代からの友人でもあるイラストレーター、ちゃもーいによるイラスト("めめ"は目=ヴィジュアルを意味)が耳と目の両方を刺激する、視聴覚ユニットという新しいスタイル。その魅力と楽しみ方、タカオユキのこれまでとアルバムへの思い、そしてみみめめMIMIの今後についてユキに聞いた。

タカオユキ
1990年6月30日生まれ。兵庫県出身。O型
撮影:糠野伸

――声優としてユキさんを知った人は多いと思うんですが、実は音楽のキャリアのほうがずっと長いんですよね?

そうですね。中学生の頃から曲を作っていて、シンガー・ソングライターを目指してました。

――どのように曲を作り始めたんですか?

子どもの頃から頭の中でメロディーを作るのが好きで、そのうち、友だちに言えないことを詞にしてメロディーに乗せるようになったんです。歌にして発散するというか。日記のようなものですね。で、作ったものがどんどん積もっていったので、引き出しに入れたままにするんじゃなく、誰かに聴いてほしいと思うようになって。

――実際に聴いてもらう機会はあったんですか。

中学3年の時からオーディションを受けるようになって、テープやCDに録って送るようになりました。でもあまりに落ち続けて、そのたびに「もっと修行せねば!」という気持ちになって。それで高校2年の頃からライブハウスに「出演したいです」とデモテープを送り、弾き語りでライブをするようになったんです。

――弾き語りはピアノで?

それが最初はずっとギターだったんです。中学時代に軽音楽部でエレキギターをやっていたので。というのも、本当は歌をやりたかったのが、小さな軽音楽部の小さなボーカル・オーディションでさえ落ちてしまったので、仕方なくギターをやるようになったんです(苦笑)。でも、今では小さい頃からやっていたピアノとギターの両方で曲が書けるので良かったなぁって。なので、最初はギターで弾き語りをしていたんですけど、ある日ピアノでやったらすごく褒められて、その後はピアノでやるようになりました。

――そして大学進学のため上京。みみめめMIMIの相方、ちゃもーいさんと知り合うんですよね。

活動の幅を広げたいという気持ちもあって上京したんです。で、大学でちゃもーいと知り合って。私、ちゃもーいの絵に一目惚れしたんです。彼女の絵を初めて見せてもらってから卒業するまで、学校のパソコンのデスクトップをずっとちゃもーいの絵にしていたくらい(笑)。彼女も私のライブに来てくれて、いつかなにか一緒にできたらいいよねって話してました。

――それが実現したのが、「君のいる町」のお話だったんですね?

そうなんです。私の音楽とちゃもーいのイラストがあれば、表現する世界がより広がるんじゃないかって考えた時に、すごくワクワクしてきて。ちゃもーいも乗り気で、ユニットを組むことに決めました。私、なにか選択しなくちゃいけない時は「ワクワクするほうを選ぶ」って決めてるので(笑)。