既報の通り、サンディスクは8月4日、高性能な2.5インチSATA SSD「Extreme PRO SSD」の国内発売を正式にアナウンスした。9月上旬より出荷を開始し、ラインナップと店頭予想価格は、240GBモデルが20,000円前後、480GBモデルが40,000円前後、960GBモデルが65,000円前後だ。

サンディスクといえば、超高速SDカードや高性能USBメモリなど、フラッシュメモリを利用した製品で古くから有名なメーカーである。同社の製品は、高性能かつ信頼性が高いことで、プロのカメラマンなどでも愛用している人が多い。フラッシュメモリ自体の開発も、東芝と共同で行っている。サンディスクはこれまで、エンタープライズ向けのSAS対応SSDなどを出荷しているが、日本のリテール市場向けにSSDを出荷するのは、今回のExtreme PRO SSDが初となる。

ブランド名の「Extreme PRO」は、性能にこだわるプロユースやヘビーユーザー向けの製品であることを示す。今回のExtreme PRO SSDも、ヘビーユーザーやプロのカメラマンなどに向けたハイエンドモデルだ。

Extreme PRO SSD

独自キャッシュ技術「nCache Pro」により、長期にわたって性能が低下しない

Extreme PRO SSDは、SATA 3.0(6Gbps)対応SSDであり、240GB/480GB/960GBの3モデルが用意されている。シーケンシャルリードは、全モデルとも最大550MB/s、シーケンシャルライトは240GBモデルが最大520MB/s、480GBモデルと960GBモデルが最大515MB/sだ。ランダムリードは、全モデルとも100K IOPS、ランダムライトは全モデルとも90K IOPSとされており、性能についてはシーケンシャル、ランダムともにトップクラスである。本体の厚みは最近主流の7mmであり、9.5mm厚のHDD用マウンタに装着する場合は、付属のスペーサーを利用すればよい。

Extreme PRO SSDのパッケージ

厚さを9.5mmにするためのスペーサーが付属している

大きな特徴の1つに、自社製の独自コントローラによるキャッシュ技術「nCache Pro」を搭載していることが挙げられる。nCache Proは、2階層のキャッシュ構造を持つことで、書き込み性能を向上させ、大容量データの読み書きに耐える十分な耐久性を実現する技術だ。一般的なSSDでも、NANDフラッシュメモリとコントローラの間にはDRAMを利用したキャッシュを備えているが、nCache Proでは、DRAMキャッシュに加えてSLC NANDフラッシュメモリをキャッシュ専用として搭載している。SLC NANDは、MLC NANDやTLC NANDに比べて高速で、書き換え可能回数も格段に多いことが利点だ。

Extreme PRO SSDの裏面

Extreme PRO SSDの基板。左に並んでいるのがNANDフラッシュメモリ、右下がコントローラ、その上がDRAMキャッシュである

コントローラは、Marvellの88SS9187-BLD2をベースに、ファームウェアを独自にチューニングしたものと思われる

NANDフラッシュにはSanDiskの刻印がある

また、従来のSSDは、使い続けると性能が落ちていく場合が多い。しかしExtreme PRO SSDは、長期にわたって使い続けても性能がほとんど落ちないこともウリだ。4KBランダムデータ書き込み時の書き込み可能容量は、240GBモデルでも80TB以上、480GBモデルや960GBモデルでは、さらにそれを上回るとされている。

製品保証についても、リテール向けSSDでは業界最長となる10年保証を実現した。7月に発表されたSamsung SSD 850 PROも同じく10年保証であり、Extreme PRO SSDはそれに続く2製品目となる。10年保証なら、PCの一般的なライフサイクルよりも長く、ユーザーが寿命を気にする必要はほとんどないといってよい。