2010年に放送が開始された英BBC製作のテレビドラマシリーズ『SHERLOCK(シャーロック)』。同作は21世紀のイギリスを舞台とし、ネットやスマートフォンといったデジタルツールを駆使して事件を解決する現代的な推理ドラマだ。主人公シャーロック・ホームズ役を務めたベネディクト・カンバーバッチも、同役を演じた以降、ハリウッド映画の出演が相次ぐなど、ハリウッドの一流俳優へと成長していった。

一方、7月には大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン内に、「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」がオープン。同アトラクションは、ハリー・ポッターをテーマにしたもので、アメリカ国外では初めての試み。国内外から年間200万人の増客を見込み、過去最大の450億円を投じて建設されるなど国家レベルに期待されている話題のプロジェクトだ。

これらに共通しているのは、イギリス発祥の作品であったり、イギリス人俳優であること。今、日本では“英国発”のカルチャーが静かにブームとなりつつある。そうした中、イギリスで『SHERLOCK』と並んで、アメリカでは『SHERLOCK』を凌ぐ人気のテレビドラマシリーズ『ダウントン・アビー』のブルーレイ&DVDが6日、リリースされた。

現在販売中の『ダウントン・アビー』DVDパッケージ

同作は、イギリスの民放ナンバーワン放送局・ITV製作による2010年開始のサスペンスドラマ。英国の貴族を舞台に、相続争いや絡まる恋愛関係、一族に仕える使用人たちを交えてのスキャンダラスな展開で、本国では視聴占拠率40%を超える驚異的な数字を叩き出した。世界の名だたるセレブたちもファンを公言し、『SHERLOCK』と人気を二分する大ヒットドラマとなっている。

英国ではBBCとITVの二大放送局が新シリーズ放送ごとに交互に最高視聴者数を更新しており、現在は2014年1月に放送した『SHERLOCK シーズン3』の1,272万人が英国ドラマ史上最高視聴者数だが、今秋放送予定の『ダウントン・アビー シーズン5』が再び記録を塗り替えるのは間違いないとも言われている。日本では、2011年秋からスターチャンネルで放送された後、2014年5月からNHK総合でもシーズン1が放送。シーズン2は今秋にも放映される予定だ。

物語の設定は、第一次世界大戦勃発直前の1912年。イングランド郊外にたたずむ大邸宅“ダウントン・アビー”で暮らす貴族グランサム伯爵一家は、タイタニック号沈没の報せに騒然となる。家督を相続するはずだった長女の婚約者が帰らぬ人となり、娘しかいないグランサム卿の母親と妻はよそ者に財産を引き渡したくないために策謀をめぐらせる。一方、戦争で負傷し左足が不自由の男がある日、伯爵付従者として赴任。ひとりの新参者の登場で一族に仕える使用人たちの間にもさまざまな出来事が起こり、ダウントン邸に渦巻くさまざまな秘密が、静かに暴かれていく。

キャストには、2度のアカデミー賞受賞を誇り、本作でもエミー賞に輝く名優マギー・スミスを筆頭とした実力派のベテラン勢や、2013年英版GQ誌が選ぶ最も スタイリッシュな男性に選ばれた英国男子ダン・スティーヴンス、 本作をきっかけにハリウッドメジャー映画デビューを果たしている注目の若手俳優など、イギリスを代表する新旧の演技派俳優が多数顔を揃えている。

また、ロバート・アルトマン監督作『ゴスフォード・パーク』でアカデミー賞最優秀脚本賞を受賞したジュリアン・フェローズが企画・製作総指揮・脚本を担当。シーズン1でエミー賞&ゴールデングローブ賞の作品賞をダブル受賞しているほか、撮影、楽曲、衣装など多数の部門で賞を席巻した美術、ファッション等すべてが圧倒的なクオリティの高さという、海外ドラマファンならずとも必見の作品だ。

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