Pepperは大きすぎる!?

決算説明の後、質疑応答の時間がもうけられた。

ソフトバンクが販売を予定している家庭向けパーソナルロボット「Pepper」について、「(開発を手がける)アルデバラン社では、もっと小さいロボットも扱っている。孫社長の家なら置き場に困ることはないと思うが、Pepperはサイズが大きいので、日本の住宅事情には合わないのではないか」といった質問があがった。

これについて、孫社長は「おもちゃであれば、それに適したサイズのロボットを販売した。でも私の思いは、家にひとり子供が増えた、くらいの感覚のロボットを登場させることだった。つまり我々は、Pepperをおもちゃだとは思っていない、ということ。家族の一員として迎えてくださる家庭に、提供していきたい。10~30年後には、Pepperくらいの大きさのロボットが家庭にも会社にも普及する時代がやってくるのではないか、と信じている」と回答した。

海外からの問い合わせも増えているとのこと。孫社長は「海外からも、Pepperについて様々な関心をいただいている。ゆくゆくは米国にも販路を拡大したい。まずは日本国内で、手の届く範囲で商品として完成させていく。その後で、米国や他国にも徐々に拡大していく」との考えを示した。将来的には、スプリントの店頭でもPepperが接客する姿が見られるかも知れない。

質疑応答で、記者団の質問に回答する孫正義社長

ワイモバとの役割分担

ソフトバンクとワイモバイルの、2社の役割分担について問われると、「ソフトバンクが正規軍だとすると、ワイモバイルは別動隊という位置付け。別動隊としての機能、価格での棲み分けが必要だと考えている」と回答。ワイモバイルでは、モバイルインターネットを追求する商材を売っていく考えで、ヤフーと連携を深めながら運営していくという。

ヤフーがイー・アクセスの買収を発表したときも、資本提携に切り替えることを発表したときも、ともに突然だった。孫社長は、これをヤフーの経営スローガンである「爆速」と絡めて、「爆速で来て、爆速で去っていった」と皮肉って会場の笑いを誘った。「ヤフーの宮坂くんが、(イー・アクセスを)持ちたいと言ったときに、その思いに賛同した。基本的に、そのときの思想は生きている。ワイモバイルでは、(パケットマイレージなどの)先進的なネットサービスをテストしてみたい。うまくいったら、ソフトバンクにも拡張していく。格安スマホと競争できる価格帯に設定して、スマートフォンを販売していきたい」と語った。