モロッコの「マクドナルド」。ラマダンをやっていない現地の人々も来店

旅先で「マクドナルド」に入るなんて無粋よね……。そんな風に考えているあなた! 海外旅行中なら、思わぬご当地メニューにめぐり合う大チャンスですぞ! 今回はモロッコのマクドナルドをご紹介しよう。

呼び名は「マクド」

ちょうどラマダン(断食月)の最中に訪れたモロッコ。レストランは日中軒並み休業で、お昼を食べる場所がない。また、仕事で訪れたため、どの食事もモロッコの代表料理タジン鍋でもてなされ、おいしいのだが、少々食傷気味になっていた。というわけで外資系ゆえラマダン中も開業しているマクドナルドへ行ってみようということになったのだ。

ドライバー氏に「マクドナルドに行きたい」と伝えると、「あ~、マクド? 」と言っていた。モロッコでは「マック」ではなくて「マクド」なのだ。

ここでの目当てはもちろんご当地メニュー。「プチ・ベルディ」(30DH・約370円)と「ビッグ・テイスティ」(59DH・約725円)とやらを注文してみた。英語がほとんど通じなかったのと、メニューがフランス語とアラビア語でよくわからなかったのとでよくわからないが、どちらも飲み物とポテトのセットメニューだ。作るのに時間がかかるのか、かなり待たされる。日本のマクドナルドの60秒で出す、みたいなノリはまったくない。

待っている間に店内を見回していると、どう見ても地元っぽい人々でもがっつりハンバーガーにかぶりついていた。成人でもラマダンをやらない人もいるとは聞いていたが、こそこそ隠れるものでもないらしい。

サイドメニューのコロッケ。チーズ味、オニオンチーズ味がある

さて、いよいよハンバーガーのお目見えだ。「プチ・ベルディ」は別にたいして「プチ」ではなく、日本でいうなら普通サイズのハンバーガー。バンズはふわふわしておりスパイスがすでにふりかかっていて、そこからしてちょっと違う。ビーフパティにトマト、玉ネギ、少量のレタスなどが入っているところはまぁオーソドックスなハンバーガーだ。だが「ベルディ」とはアラビア語で「伝統的」という意味らしく、その名の通りクミンががっつり効いており、まさにタジンの味である。タジンから逃れようとマック(いや、「マクド」か)に来たのに、またもタジン味なのであった。

「ビッグ・テイスティ」は、モロッコ人のお気に入りと聞いたのでオーダーしたメニュー。商品を受け取った瞬間にその大きさに驚かされる。「ビッグ」とつくだけあって、とにかくデカい。先ほどのプチ・ベルディが「プチ」呼ばわりなのがよくわかる、その倍以上はあるかと思われるこのサイズ感。

「プチ・ベルディ」はバンズにもスパイスが。大人の味

ビーフパティもただただデカい。味は炭火焼風で、これもまたモロッコ料理の串焼き「プロシェット」のようだ。シンプルで飽きのこない味……と言いたいところだが、さすがにこのサイズでは全部食べるのは不可能であった。

「ビッグ・テイスティ」はとにかく大きい

ところで、ここで特筆すべきはポテトである。「マックフライポテト」って独特な味があるなと思っていたが、モロッコのこのポテトは一般家庭でジャガイモから揚げた素朴なフレンチフライという味なのだ。意外なおいしさ発見、である。「ビッグ・テイスティ」を完食できなかったのも、ポテトを食べ過ぎたせいかもしれないな、と思ったのであった。

「ハラル」のマークがあればムスリムの人も安心