Twitter Japanは8月5日、Twitter上でスマートフォンアプリへの誘導を行なう「モバイルアプリプロモーション」の効果測定パートナーとして、日本のAdwaysとCyberZ、Septeniを追加した。このほど、モバイルアプリプロモーションについて同社 プロダクトマーケティングの岡本純一氏に話をうかがう機会を得たのでお伝えしたい。

モバイルアプリプロモーションはすでに提供を開始しており、国外では効果測定サービスを提供するパートナーがすでに7社いる。今回の3社の追加により、日本語環境でも容易に効果測定ができるようになる。

このサービス提供によって、Twitterでのエンゲージメントとインプレッションがどのようにアプリのコンバージョンに繋がっているか、より容易にトラッキング可能になるという。

Twitter Japan プロダクトマーケティング 岡本純一氏(左から3人目)、その他は米国本社のプロダクト開発部隊

すでに効果測定サービスを提供している海外系パートナー7社

新たにパートナーに加わった日本の3社

Adways

CyberZ

Septeni

モバイルアプリプロモーションとは

Twitterプラットフォームは、78%のユーザーがモバイルデバイスからアクセスしており、アクティブユーザー(月1度以上のアクセス)のうち、実に90%がTwitterの公式アプリを利用している(Twitter公式情報より)。

Twitterの広告商材である「Twitterカード」は、このモバイルアプリプロモーションに限らず、幅広く利用されているが、数億人が利用するTwitterで全体の2/3を超えるユーザーにリーチできる可能性を秘めている事実は、モバイルアプリの開発者にとって大きな魅力と言えるだろう。

通常のツイートを広告として打ち出す「プロモツイート」では、ユーザーがRTやお気に入り登録といったアクションを起こすことで成果報酬を支払っていたが、このモバイルアプリプロモーションではアプリへのリンク「Appカード」がクリックされた時にのみ、成果報酬の支払いが発生する。

そのため、「実際にクリエイティブ(アプリ)へのアクションが起こった時に課金が発生するため、ROIも高くなっている」(岡本氏)という。

Appカードでは、iOSのApp StoreやAndroidのGoogle Playストアなどから直接アプリの情報や画像を引っ張ってくることができるが、画像を差し替えることもできる。

「イメージをアプリアイコンと差し替えることで、クリック率は上昇します。もちろん2倍、3倍になるわけではありませんが」(岡本氏)

他媒体と比較してTwitterのメリットはどこにあるのか

こうしたアプリ広告は、SNSプラットフォームのライバルであるFacebookが先行しており、その他スマートフォン最適化サイトなどでもバナー広告が多く掲げられていることを読者も目にする機会が多いだろう。

これに対してTwitterのモバイルアプリプロモーションは以下のようなメリットがあるという。

  • ターゲティングの多様性

  • 拡散力

  • Twitter特性を活かしたキャンペーン

  • 休眠ユーザーの掘り起こし

  • リアルタイム、直接コミュニケーション

これ以外にもiOSでは、Appカードからのインストールで、Twitterをそのまま利用しているとインストール完了通知が出るといった仕掛けも存在する。

これらのメリットの中で、岡本氏が強調していたのはTwitterの拡散力と特性だ。

Twitterの拡散力は、気軽にRTをすることで副次的な波及効果を得られやすい。プロモツイートは、自社アカウントのフォロワー以外にもリーチできるように利用されるものだが、RTされるほど、本来考えていなかった層にまでリーチできる可能性がある。

「これはモバイルアプリプロモーションではなく、プロモツイートの特徴になりますが、プロモツイートを見たユーザーがRTした際には課金が発生しますが、そのRTを見た二次クリック、その次のRTには課金が発生しません。つまり、拡散されればされるほどROIが上昇するのです」(岡本氏)

こうしたTwitterの"拡散力"を活かして、「アプリのインストールとツイートのRTをすれば〇〇をプレゼントします」といったキャンペーンも盛んに行なわれているという。

「短期集中でキャンペーンを打つことで、Twitter上の拡散だけではなく、それによって各アプリストアのランキングも向上する副次効果ができます」(岡本氏)

コンバージョン測定と"その先"

こうした魅力のあるTwitterプロモーションだが、課題点もある。それは「コンバージョンのトラッキングができない」ことだ。

ユーザーは自前のURLリダイレクトを貼る必要があったが、今回のパートナー連携により、トラッキングパートナーのSDKを導入することで、これまでTwitter側の管理画面で見られていなかったコンバージョン情報を一元管理できるようになる。

アプリインストール時の行動だけではなく、アプリインストール後までユーザー動向を追えるようになるため、アプリ開発者にとって悩ましい「休眠ユーザーの掘り起こし」にも繋げられる。

「パートナー各社のSDKにはそれぞれ特徴がある。うまく活用していただいて、アプリインストール、そして、これまではリーチできなかったアプリインストール後の、その先までTwitterとしてサポートしていきたい」(岡本氏)

Twitterの広告管理画面上でのデモ