エプソンは、ビジネス向けプロジェクターの新製品として、多機能パワーモデルを2機種とスタンダードモデル1機種を8月21日に発売すると発表した。

5日に都内で行なわれた記者会見で、エプソン販売 取締役 販売推進本部長の鈴村文徳氏は「プロジェクターの多機能パワーセグメントでは、4500ml以上の明るさや高解像度が重視されている。また、タブレットやスマートフォンの普及でスマートデバイスへの対応も求められている」とビジネス向けプロジェクターのトレンドを紹介。

同社は、スタンダートモデルやモバイル向けプロジェクターでは80%前後のトップシェアを持つが、多機能パワーセグメントではシェア48%に留まっており、このセグメントに新製品を投入し、さらなるシェア拡大を狙うという。

新たに投入されるエプソンのプロジェクター3機種。手前から多機能パワーモデルの「EB-1975W」と「EB-1895WU」。奥がスタンダードモデルの「EB-W28」

エプソン販売 取締役 販売推進本部長の鈴村文徳氏

新たに発売される多機能パワーモデルは、大会議室での使用にも適した「EB-1985WU」と「EB-1875W」の2機種。W337×D291×H110mm、重さ約4.6kgのデスクトップサイズで、液晶技術に全白(白100%)とカラーの明るさが同じで、高い色再現性と階調表現を実現した目にも優しい3LCD方式を採用している。

EB-1985WUはWUXGA(1920×1200ドット)の高解像度で、明るさは4800lmを実現。製造開発部門などで設計図の図面や工程表など、細かい表示が求められる場合や分割表示の利用に適しているという。もう1つの多機能モデルEB-1875Wは5000lmの明るさで、解像度はPCで主流のWXGA(1280×800ドット)となる。

両モデルともスマートデバイスやノートPCとの連携を強化。タブレットやノートPCからフルHDの動画や写真をワイヤレスで投写できる「スクリーンミラーリング機能」に対応するほか、MHLに対応した端末との有線接続も可能だ。

高解像度な多機能パワーモデルEB-1985WU。アスペクト比16:10のワイド画面で高精細な図面やドキュメントファイルを投写するのに適している

スクリーンミラーリング機能に対応。Android 4.2以降、Windows 8.1以降のスマートフォンやタブレットなどとワイヤレスで接続し、表示画面をそのまま投写できる

多機能パワーモデルEB-1875Wは5000lmの明るさを実現。明るい室内でもカラー映像を明るく映し出すことができる

また、周囲の明るさに合わせて明るさを自動調整する「照度センサー」を新たに搭載。スクリーンに投写するときにワンタッチで枠に画面をあわせる「フレームフィット」や投写の際にリアルタイムに歪みを補正する「自動タテヨコ補正」などの便利機能も備えている。

スタンダードモデルの「EB-W28」は2013年8月に発売された「EB-W18」の後継商品だ。W297×D234×H77mm、重さ約2.4kgのコンパクトサイズで、液晶技術には多機能モデルと同じ3LCD方式を採用。明るさ2900lm、解像度はWXGA(1280×800ドット)となる。

スマートデバイスとの連携も可能だ。スクリーンミラーリング機能には対応しないが、オプションの無線LANユニットを装着し、無償のアプリ「Epson iProjection」を利用することで、投写画面のメニューに表示されるQRコードをスマ?トフォンやタブレットで読み取って簡単にプロジェクターとスマートデバイスを無線接続が可能。ドキュメントファイルや写真、Webサイトを表示できる。NHLの有線接続にも対応している。

コンパクトなスタンダードモデルEB-W28

無線LANユニットを利用してスマートデバイスとワイヤレス接続が可能。Epson iProjectionアプリで投写されたQRコードを読み取ると簡単に接続できる

ほかにも、レバーのスライド操作で投写画面の歪みを修正できる「スライド式ヨコ台形補正」や、PCの映像や音声の転送、付属リモコンでのマウス操作が可能な「USBディスプレイ」機能、HDMI端子などを搭載。必要十分なスペックを備え、従来モデル同様、使いやすさに配慮した機能を搭載している。

3機種はいずれもオープン価格だが、オンラインショップのエプソンダイレクトショップでは、EB-1985WUが54万8000円、EB-1875Wが39万8000円、EB-W28が9万2500円で販売される(いずれも税別)。

エプソンは、この3モデルの新商品を含め、多機能パワー、スタンダードモデルの今後1年間の販売台数目標を10万台としている。