フルHDで感動していたのはいつの話だったか……。4Kモニタが各社から発売され、4Kテレビの試験放送も開始された。それどころか、モバイル端末の解像度もフルHDなど優に超えている昨今、ついにBTOゲーミングノートPCにもその波はやってきたようだ。その第一波となるのが、2560×1440(WQHD)という高解像度液晶を備えたマウスコンピューターのゲーミングブランドG-Tuneの「NEXTGEAR-NOTE i421」シリーズ。だがゲーミングPCでは、ディスプレイの解像度は高ければいいというものではない。その分、高いスペックが求められるからだ。今回の試用機「NEXTGEAR-NOTE i421GA1」は、2560×1440という液晶を活かせるだけのスペックを備えているのだろうか。

マウスコンピューターの高解像度ゲーミングノート「NEXTGEAR-NOTE i421GA1」

ドットが判別できないほどの高精細映像を実現

NEXTGEAR-NOTE i421GA1は、13.3型のゲーミングモバイルノートだ。最大の特徴は、前述した通り液晶ディスプレイ。シャープの誇るIGZO液晶を採用することで、2560×1440というデスクトップでもなかなかお目にかかれない高解像度を実現している。13.3型という画面の大きさと解像度があいまって、ドットが判別できないほどの高精細映像を得ることに成功している。ノートPCの解像度といえば、現在でも1366×768程度のものが少なくない。単純に考えればデスクトップ画面は、その4倍前後の広さを利用できるのだ。とはいえ、13.3型というサイズをWindows上でそのまま使用しては、文字やインタフェースが小さくなりすぎるため、コントロールパネルのディスプレイ項目でサイズを調整しつつ、時にスケーリングを行って高精細を活かした使い方をすることになる。起動して画面を見るとその効果は明らかで、ドット感は全く感じない。アプリケーションによってはインタフェースの一部が小さく表示されてしまうこともあるので注意したい。

出荷持の初期設定でテキストなどの項目のサイズは変更されているため、遠目からデスクトップ画面を眺めると違いはわかりにくい

テキストなどの項目のサイズを元に戻すと、アイコンやインタフェースはここまで小さくなる。この状態で使い続けるのはさすがにつらそうだ

PDFファイルを開いたところ。ディスプレイ解像度が活きており、フォントにドット感を感じない。ツール画面は非常に小さく表示されてしまった

Webブラウザを開いたところ。デフォルトで200%に拡大されている。フォントは非常にきれいで読みやすいが、JPEG画像などはスケーリングされ、荒れが目立つこともあるようだ

黒いラバーコートが施された、触り心地のいいスタイリッシュな天板

液晶画面を堪能したところで、筐体を確認していこう。本体カラーはG-Tuneブランドらしく、シルバーとブラックの構成。G-Tuneのロゴが映える黒い天板にはラバーコートが施されており、さらさらとして柔らかい手触りでつかみやすく、うっかり落としてしまう心配もなさそうだ。タッチパッドは本体の大きさに合わせて小型だが、周囲と段差もあってなかなか使いやすい。パッドボタンはしっかり左右アイソレートされており、押し間違えは少ないだろう。また、ゲームプレイ中の誤操作を防ぐために、タッチパッド機能をOFFにすることも可能だ。本体の左手前には、アクセスランプが備えられており、画面を閉じたときはこのランプでバッテリーなどの確認ができる。右手前側には、SD/MMCに対応したマルチカードリーダーを搭載。別途カードリーダーを用意せずとも、デジタルカメラやモバイル端末のデータを読み込める。

ラバーコートが施された天板。さらさらとした感触でつかむと柔らかく、金属のように手を滑らせてしまうことは少なそうだ

しっかりとした段差もあるタッチパッド。設定で無効化することも可能だ。高負荷時に本体の熱を感じやすい場所でもある

本体の左手前には、SD/MMCに対応したカードリーダーを備える。データのやり取りはもちろん、一時的なストレージとしても便利に使えるだろう

キーボードは白色LEDバックライトを内蔵しており、暗い部屋の中でゲームをプレイしていてもキーの刻印を視認可能。ここ数年、定番の形状となっているアイソレーションキーを採用しており、13インチクラスでは一般的なテンキーレスだ。Windowsキーの左隣にはほかのキーとの組み合わせで各種機能をコントロールするファンクションキーも確認できる。配列は右端のキーが特殊な配置と形状となっており、通常のキーボードに比べて倍の大きさのキーがいくつか存在している。慣れないうちは押し間違いに気を付けたい。

キーボードはアイソレーションタイプ。テンキーは備えていないが、Num LkをONにするとキーの一部を一時的にテンキー化できる

キーボードの右端付近のキーサイズは、ほかのキーの2倍程度の大きさとなっている。最初は押し間違える可能性もあるので気を付けたい

本体内部に白色LEDバックライトを内蔵しているため、暗い場所でもキーの刻印の判別は容易だ。眩しくて邪魔になる場合は、OFFにすることも可能

13.3型の筐体に詰め込まれた、充実のインタフェース

本体はW330×D227×H31.9mm(折り畳み時)というモバイルサイズながらも、左右のインタフェースはなかなか充実している。右側面にはUSB 3.0×3、HDMI出力、VGA出力、ギガビットLAN端子と電源コネクタ、そしてケンジントンロックを搭載。左側面はUSB 2.0×1と、ヘッドフォン端子、マイク端子だ。また液晶ディスプレイ上部にはWebカメラや内蔵マイクなどを備える。さらに本体背面のバッテリーの左右にはステレオスピーカーを内蔵。取り急ぎ接続するとしたら、マウスとストレージ位のものだろう。ACアダプタの物理的なサイズはW147×D73×H25mm。横幅こそあるが25mmと薄いので、持ち運んで使うことも容易だ。容量は120W(19.5V)。バッテリー駆動時間は公称で約6.5時間と、ゲーミングPCとしてはなかなか持ちがいい。

本体右側面にはUSB 3.0×3、映像出力×2、ギガビットLAN、電源端子などを備える。豊富なUSB 3.0がうれしいが、端子は手前側なのでケーブルなどの取り回しには注意したい

本体左側面には、音声入出力端子とUSB 2.0が確認できる。中央の通気口からは内部の熱がまとめて排気されるので、常にエアフローの確保を考えておこう

本体背面はシロッコファンの吸気口が目立つ。右上、左上のスリット内部には、ステレオスピーカーが内蔵されており音質もいい

バッテリー駆動時間は公称約6.5時間だが、その分ACアダプタのサイズも大きい。ただし厚みはそれほどないので、持ち運ぶのも難しくないだろう

2560×1440の液晶ディスプレイはもちろんのこと、ラバーコートされた天板やLEDバックライト付きキーボードなど、ハードウェア的な工夫が随所に見られる。次ページでは、PC内部の様子とともにPCを構成するパーツを確認していこう。