もう1点気になるのは「発表会の開催場所」だ。近年のWWDCでは例年「Moscone Center West」を会場としており、iPhone 3GS/4では当然ながらここが発表会場だった。WWDCを収容していることからもわかるが、Moscone Westは基調講演の収容人数が多く、さらにいえばプレスや関係者以外の席も大量に用意されている。

YBCAこと「Yerba Buena Center for the Arts」。米カリフォルニア州サンフランシスコ市内のコンベンションセンター隣に立地するシアターの内観

一方でYBCAこと「Yerba Buena Center for the Arts」は比較的こぢんまりとした小さな講演会場で、収容人数は最大200人未満程度となっている(1階前方スペースのみ使用時)。「Town Hall」と呼ばれる米カリフォルニア州クパチーノのApple本社にある講演会場はさらに狭く、100~150名程度の収容人数だ。

Town Hallと呼ばれる米カリフォルニア州クパチーノにあるApple本社講堂内観

つまり、どの会場を選ぶかでイベントの開催規模や重要度がある程度わかるといえる。Apple本社(Apple HQ)は重要な場所ではあるが、あまり多くの報道陣を呼べないため、特に海外を含め広いユーザー層にアピールしたいという場面では拡散効果が弱い。もしYBCAを選択したのであれば、それよりかは幾分か呼べる人数が増えるため、「Appleにとってより重要な製品ローンチ」となる可能性がある。もしどちらの会場でもない場合、「さらに重要な製品発表」になると筆者は考える。