イケア・ジャパンは31日、限定コレクション「IKEA ヴィンテージ コレクション」プレス内覧会を開催した。同内覧会で、スウェーデン本社のIKEA MuseumコーディネーターのJuni Wannberg氏が語ったイケア70年の歴史をレポートする。

プレゼンテーション形式で行われた

IKEA MuseumコーディネーターのJuni Wannberg氏

「力を合わせる」文化

同社のふるさとは南スウェーデンのエルムハルトという地域だ。荒れた土地のため、人々が力を合わせないと開拓ができない土地で、同社にも「何をするにも力を合わせる」という文化が受け継がれているという。

創業者はIngvar Kamprad氏。祖父が大型店を営んでおり、本人も17歳のときに起業を志望した。しかし、当時の制度では起業できる年齢が21歳以上だったため、熱意を持って行政との交渉に臨んだという。88歳となる今でも頑固者で有名なのだそうだ。

社名の由来とは?

イケアという社名は「I=Ingvar」「K=Kamprad」「E=Elmtaryd」「A=Agunnaryd」の4文字から成り立っている。最初の2文字は創業者の名前、あとの2文字は幼少時代に住んでいた土地や思い出深い土地から取られている。当時は商品の配達をバイクで行っていたが限界に達し、牛乳配達員に牛乳とともに配達してもらうという状態だったそうだ。夜な夜なこん包作業が行われていたという。

創業初期に使われていた倉庫

最初は生活用品を扱っていたが、1951年に「ファースト・カタログ」を出して家具を中心とした経営にシフト。1953年には、ショールームを抱える形式のストアをオープンした。

時代に合わせた変化

初の本格的ストアとIngvar Kamprad氏

本格的なストアが初めてオープンしたのは1958年。オープン後の1959年にまず手直しをしたのがレストランだった。その理由は「お腹がすいていては買い物もできない」から。1960年代前半には、品質テストも導入した。

1960年代後半には、若者のライフスタイルが変化していることを受けて色やパターンのある商品を展開し始める。1970年代前半にはデニムを使用した商品、後半には都心での生活を想定した商品を発表した。

1970年代前半のデニム使用商品

1980年代に入ると、生活の機能化を求める流れから、カバーの取り替えが可能なソファを導入。子供向け商品も展開した。

子供向け商品

1990年頃には、スカンジナビアンデザインが取り入れられた。21世紀に入ると、「シンプルで機能性のあるデザイン」が生み出されていく。

90年代のシンプルで機能的なデザイン

2006年~2007年にはストックホルムコレクションを発表。古き良き技術やデザイン性も重視した。

2006年~2007年のストックホルムコレクション

同氏はいきいきと歴史を紹介。内覧会の参加者も、初めて知ることの多い同社の歴史を新鮮に感じている様子だった。