バリエーションの豊かさが香港グルメの特徴なのだが、香港の母親たちは万能調味料をうまく活用して、お手軽なのに本格的な料理を日々ふるまっている。そんなオススメの調味料を、ローカルスーパーで買えるという条件を加えて、地元の方に聞いてみた。

中華なのにどこか洋な調味料

「万能性を求めるならこれ!」と太鼓判を押してもらったのが、欖菜(ラムチョイ)というオリーブをペースト状にして塩漬けしたもの。香港のスーパーなら大抵どこにでもあり、1瓶10香港ドル(約130円)という手軽さもうれしい。

欖菜(ラムチョイ)は瓶を開けた瞬間、オリーブの香りが立つ ※商品には橄欖菜(ガムラムチョイ)と書かれているが、一般的にラムチョイと呼ばれることの方が多い

チャーハンや野菜炒めに使えるほか、お粥(かゆ)などにも入れることがあるそうで、まろやかなコクが出て、様々な調理に使えるという。甘みとともに凝縮感があるため、中華料理の味付けに使い勝手がよく、かつ、オリーブで後味もさっぱりと、洋と中のいいところを掛け合わしたような調味料である。今回このラムチョイを、暑い季節にもさらっと食べられるつけ麺に活用してみた。

「ラムチョイ香る! きのこと豚肉のつけ麺」

〈材料・2人分〉
・ラムチョイ 大さじ2
・豚バラ肉 200g
・しめじ 50g(1/2パック)
・エリンギ 50g(1/2パック)
・白だし(市販の希釈用) 100ml
・水 300ml
・タカノツメ 適量
・白ごま 適量
・ひやむぎ、そうめん等 200g

〈作り方〉
1.鍋にラムチョイ、白だし、水、タカノツメを入れ、さっと一煮立ちさせる。
2.しめじ、エリンギは食べやすい大きさに切り、素焼きする。
3.豚バラ肉は食べやすい大きさに切り、こんがり焼き色がつく程度に焼く。
4.1のつけ汁に2と3と白ごまをトッピングする。
5. ひやむぎ・そうめん等はゆでて冷水に取り、水気を切り器に盛る。

〈ワンポイントアドバイス〉
程よいラムチョイのコクと、豚肉やきのこのうまみがたっぷりのつけ汁は、温かいままでも、冷たく冷やしてもOK。しめじやエリンギは食物繊維が豊富なので、便秘やコレステロール値が気になる方にもオススメだ。

※1香港ドル=13.2円で換算

レシピ考案者プロフィール : 宮沢真紀

野菜ソムリエ、料理研究家。レシピ考案のほか、野菜や食について「野菜ソムリエ真紀のブログ~Diario di Maki~」で発信しています。