多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『Androidは「iBeacon」に対応しないの?』という質問に答えます。

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ある場所に近づくと、スマートフォンに情報がプッシュされる……それが「iBeacon(アイ・ビーコン)」と呼ばれる機構です。商標はAppleが保有しているため、iPhone/iPad専用の機能と思われがちですが、理屈のうえではAndroidでもほぼ変わらずに利用できます。

iBeaconは、通信基盤にBluetooth Low Energy(BLE)を利用します。「ビーコン」と呼ばれる小型機器が 定期的にBLEの信号を発信し、BLEに対応したスマートフォンやタブレットが信号の届く半径約10メートル内に入ると、スマートフォンやタブレットで動作するアプリになんらかの通知が行われるしくみです。

しかし、BLEで処理できるのは機器の検出と位置の測定までで、店舗のセール情報や割引クーポンなどのコンテンツは、インターネット上のサーバから(モバイル回線かWi-Fi経由で)スマートフォン/タブレットがダウンロードします。その役割を果たすのがアプリで、ビーコンを検出するとコンテンツのダウンロードなど所定の動作を行います。

Android端末もしくみは同じですが、iPhone(iOS)ほどシステムレベルでのサポート体制が進んでいません。BLEに対応したシステム(API)が整備されたのはAndroid 4.3のときですから、iBeaconを利用できるのはAndroid 4.3以降が動作する端末ということになります。Android端末でもiBeaconを利用できるものの、Android 4.3ベースの端末が主流とはいいにくい現状、身近な機能となるのはしばらく先といえそうです。

NTTドコモのiBeaconを利用した試験サービス「ショッぷらっと」は、提供期間が5月19日から7月31日までということもあり、Android端末は除外されていました。今後Android 4.3以降が普及すれば状況は変わるはずです

(記事提供: AndroWire編集部)