説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「Siriはどうしてその名前なの?」という質問に答えます。

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iPhone/iOSに搭載されている音声アシスタント機能「Siri」は、英語圏では「スィアリ」と発音するようですが、ここ日本では「シリ」と呼ばれています。なにやら臀部を連想させるネーミングですが、語源は別ですから当然関係はありません。

Siriという名称は、2010年にAppleが買収した企業「Siri」に由来します。SiriはSpeech Interpretation and Recognition Interfaceの略ですが、ノルウェー語で「勝利へと導く美しい女」という意味を持つ女性の名前にもかけられています。

Siriはユーザとの接点部分を担う技術体系/ソフトウェアであり、システムソフトウェア(iOS)と音声認識エンジンをつなぐ存在です。その機能は文脈の解釈とシステムへの命令伝達であり、まさに接点(インターフェイス)です。現在はiOS専用の機能ですが、買収前は他のOS向けにも開発が検討されていました。Appleは買収後も名称を変えることなく、そのまま利用しているのです。なお、音声データを言葉に変換する役割は外部の音声認識エンジンに任され、現在はNuance Communications社のサービスが利用されています。

ところで、Siriに「あなたの名前は」と日本語で質問すると、スィアリではなく「シリです」と明快な日本語の発音で答えが返ってきます。ここ日本では「シリ」であり、あまり難しく考える必要はないのかもしれません。

Siriに名前をたずねると、日本語の発音ではっきり「シリです」と答えが返ってきます