おいしいご飯が食べられて、いい温泉に浸かれて、湯上がりにキュ~ッと日本酒を飲んだりしたい。酒好きのそんな「日本に生まれてよかったぁー、むふふ」というあくなき欲望を叶えてくれるテーマパークがありました! その名も「越後のお酒ミュージアム ぽんしゅ館」。

「御神輿」に「呑ん兵衛リーマン」のオブジェなどがあり、入る前からお客さんを楽しませてくれる

「酒蔵」をイメージした外観。"ぽんしゅ"とはもちろん「日本酒」という意味だ

100種以上の日本酒を利き酒

「こんにちは。魚沼のお米と、越後湯沢の温泉、新潟のお酒を心ゆくまで堪能できる『ぽんしゅ館』です! 」。

そういうあなたは「ぽんしゅ館」館長の桑原清彦さん。「ぽんしゅ館」のことをどんどん教えてくださいっ!!

「『越後のお酒ミュージアム ぽんしゅ館』はJR越後湯沢駅構内にありまして、平成7年8月にオープンしました。自慢は新潟の蔵元から集めた93種類117銘柄の日本酒が楽しめる『利き酒マシン』や、越後湯沢の源泉プラス"日本酒"の『酒風呂』、南魚沼のお米を使用した『爆弾おにぎり』などです」。

ぽんしゅ館の目玉である「利き酒マシン」。自動販売機と業務用冷蔵庫を合体させて作り上げたそうだ。コインを入れてボタンを押すだけ、童心をくすぐる「大人のガチャガチャ」といったところ。当然日本酒は味もよく、何度もチャレンジしたくなる

越後湯沢は温泉やスキー、スノボーとホワイトシーズンは大人気なスポット。ぽんしゅ館の前身施設がバブルの影響で閉鎖になったときに、現株主たちが「関東からの窓口である越後湯沢の火を消すわけにはいかない」と決起し、JRから場所だけ借りて始めたのが開館のきっかけだそうだ。

「前身の施設は普通のお土産屋さんだったんですが、どうせならば新潟の"飛車角"、ずばり"米と酒"で勝負を! となったんです。しかし、オープン当初は客足も伸び悩み、閑古鳥が鳴く日もチラホラ……。そこに一石を投じたのが『利き酒マシン』でした。もともと、『新潟の全108の蔵元を集めてみよう』という突拍子もない発案からでしたが、今では当館の目玉と言ってもいいぐらい。最初はどの蔵元からもご協力いただけなくて苦労したんですけどね」。

利き酒マシンとは、コインを入れて好みの酒を選ぶと日本酒が自動で出てくるというもの。マシン導入当初は「丹精込めて作った日本酒を自動販売機で売るとは何ごとだ!!」という蔵元からの厳しい意見もあったそう。しかし、そこでめげずに数少ない協力者と力を合わせて、人気の高い「越乃寒梅」や「雪中梅」などを探していったのだという。

利き酒と一緒に楽しめるのは全国津々浦々の「お塩」。まさに呑ん兵衛スタイル!

「酒風呂」には入浴専用の日本酒が!

そして、ぽんしゅ館は常設の温泉にも日本酒を使用しているとのこと。「『酒風呂』に入れているお酒は『玉川酒造』という蔵元に特注で造ってもらっている入浴専門酒です。通常の日本酒よりアルコール度数が低いのが特徴ですね。酒風呂は保湿、保温はもちろん腰痛、関節の痛みにもよく効くと地元のおばあちゃんからも大人気です」。

こんな大きな「酒風呂」にはそうそう入れるチャンスはない!日々、お湯の入れ替えがあるにも関わらず、太っ腹に特注の日本酒を注ぎ込む

中には90歳を超えて毎日通われている方もいるそうだ。そして、お風呂に入ってサッパリした後はやっぱりご飯ですよね!!

こちらのオススメは、南魚沼の米100%使った「爆弾おにぎり」。1個に1合を使ったボリュームで、まさに爆弾! 具材は塩シャケ、焼きたらこ、高菜の油炒め、ふき味噌、もち豚角煮など18種類。"具なし"の塩むすびも米の味がストレートに感じられると人気なのだとか。価格は具材によって変わり、1つ350円~800円。そして……さらに「大爆おにぎり」という4合の米を使った商品も! こちらは具を5種類入れられて2,000円。主に学生客に人気で、テイクアウトも可能だ。

「爆弾おにぎり」は見ての通り具もたっぷり。米は秋の新米を毎年300俵仕入れるそうだ。それでも春にはなくなるという大人気ぶり。徒歩30秒の姉妹店「魚沼の畑」でもおいしい食事がとれる

店内にはこのような休憩スペースも完備

お風呂でリフレッシュして、おいしい日本酒とうまい米でおなかも心も大満足。毎年12月~3月には20万人以上の来館者が訪れる人気スポットだが、4月~12月のグリーンシーズンは穴場的な時期で、「利き酒マシン」などでの行列もほとんどないという。日本酒以外に、新潟県内の名産がたくさん揃っているのでお土産にも困らない。泊まりの旅行もいいけれど、サクッと日帰りも可能な距離なので、上越新幹線に飛び乗って「越後のお酒ミュージアム ぽんしゅ館」に行ってみよう!

(文・A4studio東賢志)