メイド・イン・沖縄の人気特撮ドラマのシリーズ第2弾『ハルサーエイカー2』の完全版DVDが、7月16日(水)に発売された。パート2で、福田萌子が演じるヒロイン・アイの姉ハル役を演じたAKINAにインタビュー。地元である沖縄のキャストやスタッフと共に挑んだ本作の撮影秘話について話を聞いた。

『ハルサーエイカー』とは、大地のエネルギーを司る農家の一族のこと。ハルサーエイカーのアイは、農具の精霊たちと共に、永遠の不作を阻止するために戦ってきた。AKINAは、鍛冶屋を営むカンジャーエイカーの下で修行を積んでいるハル役。妹アイと再会したことで、新たな戦いに巻き込まれていく。

AKINA

――まずは、ハル役での出演が決まった時の感想から聞かせてください。

前作の 『ハルサーエイカー』の1 は、沖縄で違う作品の撮影をしていた時、再放送で見ていて、面白いなと思っていました。そしたら続編でキャスティングをしていただいたので、すごくうれしかったです。

――ハル役には、どんなふうにアプローチをしていきましたか?

ハルは、誰よりもハルサーエイカーになりたいという夢があるけど、現実にはそれができない。だから、妹のアイちゃんとは比べられないカンジャーエイカーを目指してるんです。。彼女は、コンプレックスの塊で、 人間らしく愛されるキャラクターですが、それを一体どんな風に見せればいいか…、台本を読んだ時に思いました。

――実際に演じてみて、いかがでしたか?

役については、「こんなふうにやりたいです」と、幾つかのパターンを準備して岸本(司)監督に意見を言っていました。監督も「そう言ってくれてうれしい。」と言ってくれて。実は、演技の世界で自分の意見を言うのは初めてだったんです。現場によって、意見が言える時や言えない時があるんですが、わたしから見たハル像を脚本家や監督にも知ってもらいたくて、私も一生懸命でした(笑)。

――これまでは、現場で意見を言ったりはしないタイプだったのですか?

小学6年生からお仕事させてもらっていて(ダンスボーカルグループFolderとしてデビュー)常に大人の言うことが正しいと思いながらやってきました。でも、20代後半から「大人ってなんだろう」って真剣に考えるようになって。私の場合、気づくのが 遅かったんですけどね(笑)『ハルサーエイカー』のハルもそうですが、人と関わり合いながら成長していく姿を見ていて、わたしも成長したい!と自然 と思っていったんです。

――『ハルサーエイカー2』の現場では、なぜ一歩踏み出せたのでしょうか?

監督と気が合ったという点も大きかったと思います。監督と、とても良いコミュニケーションが現場で取れていたので、下手な伝え方でもいいから伝えて一緒に作っていきたいと思いました。「ハルサーエイカー」は、アーティスト、女優としても価値観を変えてくれた作品になりました。

――アイ役の福田萌子さんとの格闘シーンも迫力がありました。アクションは大変でしたか?

アイ役の萌子ちゃんとは、身長差が20cmもあるので大変でした(笑)。だって、手も足も相当伸びるんですよ。本気で殺されると思いました(苦笑)萌子ちゃんに聞いてみたら幼い頃からバレエをやっていたみたいで、どおりで私がいくら頑張ってもキックやパンチが届かない訳ですよね。私は、ヒップホップをメインで踊ってきました。萌子ちゃんはバレエ。同じダンスでも今回は畑が違いましたね(笑)とにかくタイミングを合わせるためには、私がびびらずにガンガンに行かないといけないなと思いました。

――前作に続き、パート2でも、食にまつわるいろんなメッセージが詰まっていますね。

食がテーマですが、ゴミ問題など、ダークな部分もちゃんと描かれているところが好きです。そういう部分に目を背けていない。沖縄っていいよ、最高!という点だけではなく、ちゃんと現実の問題も描いています。やっぱりすべて沖縄でロケをやっているし、キャストもスタッフもみんな沖縄在住の方が作っているので、なんとなくでき上がったという作品では、絶対にダメだと思いました。

――やはり、地元が同じだと結束も固いのですね。

本当にみなさん、すごく真面目で素敵な方々でした。撮影が終わったら飲みに行く?というノリがありそうなのに、それもなかったです。実は私がそういうのがダメで、いつも直帰し、きちんと準備をして現場に臨みたいタイプなんです。準備できるものがあったら、前もって演技に役立つものをとにかく集めておきたい。たぶん自信がないからそう思っているだけなのかもしれないけど、常に何を言われてもすぐに返せるくらいの準備はしておきたい方です。

――来春、岸本司監督による劇場版『エイカーズ』の公開も決定しました。その内容についても少し教えてください。

『ハルサーエイカー2』では、まだハルは成長過程にありますが、『エイカーズ』では、その後が描かれます。もちろん、ずっと彼女は成長し続けていくんですが、今度は悪との向き合い方が少し変わります。今度は身内のために頑張るんじゃなくて、人のために頑張るようになる。ドラマ版も映画版も、テーマがまた微妙に変わってるので、是非どちらも見てもらいたいです 。また、スーツもリニューアルしているので、楽しみにしていてください。

――今年、20代最後の年になりますが、今後の抱負について聞かせてください。

また、いままでやってこなかったことは文章を綴ること。ブログは書いてますが、中学生の時に「文章書くの下手」と、言われて以来、トラウマになってる部分でもあって。29歳の今は、怖さと向き合っていきたいです。これは新たなチャレンジですね。あとは、変わらずに くすって笑えるような日常を過ごしていきたいです。きっと、それが言葉となり表情となり、わたしがなりたい自分を創る材料になると思うからです。これからも変わらず頑張りたいと思います。