「自分にぴったりと合うiPhoneケースを探すことは、人生のパートナーを探すことに等しい――」

そんな名言をご存知だろうか。

知っていたら「えっ!?」とびっくりするところである。なぜなら今僕が適当にひねり出したからだ。

そんな感じで何でもかんでも人生に例えればいいってもんではないが、しかしiPhoneケースに関してはわりと大げさではなく、かなり重要なパートナーだなと感じている。なぜなら、iPhoneはそれこそパートナーのように毎日触れるものだからだ。

iPhoneをどう快適に身に付けるかで、毎日の気分はかなり変わってくるといっても過言ではない。そこでiPhoneケース選びが重要課題となってくるわけだが、ケースの選び方で大切なポイントは二つある。

ひとつはiPhoneをしっかり保護してくれるタフさ。

もうひとつはiPhoneのデザイン性を殺さないスタイリッシュさである。

しかし、だ。

この二つを両立させるのがかなり難しいのだ。なぜなら、タフさを求めればどうしてもケースはゴツくなり、スタイリッシュさが失われてしまう。一方でスタイリッシュさを重視すれば、今度は耐久性が犠牲になってしまうのである。タフでスタイリッシュなiPhoneケースを求めることは、いわば「揚げ物ばかり食べながら痩せたい」と言っているようなものなのだ。

だんだん話がズレてきたが、いよいよ本題だ。タフさとスタイリッシュさを両立することの難しさは前述した通りだが、なんとその二つを見事にクリアしたiPhoneケースがある。Spigenの『タフ・アーマー』、そして『スリム・アーマーS』である。

タフ・アーマー

Spigenブランドでも一番人気のケースだ

まずはこちら。『タフ・アーマー』。マットな質感とさらっとした高級感あふれる手触りが特徴のスタイリッシュなケースだが、実は抜群の衝撃吸収性能を誇り、Spigenで一番人気のケースだという。

しかし、見た感じはスタイリッシュで、そんなに耐久性がありそうには思えない。いったいどこに秘密があるのだろうか。

ケースの内側には衝撃吸収を強化するため、クモの巣網状のパターン加工が施されている

耐久性と軽量化のバランスを追求したボディ形状

iPhoneに装着してみた

イヤホンジャックやコネクタの邪魔をしない構造

側面はシンプルなデザイン

スリープボタンは露出しない

音量ボタンもケースで守られている

背面にはAppleのロゴを見せるための窓が。これがデザインへのこだわりだ

この『タフ・アーマー』、コーナーの部分に「エアクッションテクノロジー」と呼ばれる衝撃吸収技術を用いていて、これがiPhone本体に伝わる衝撃を大幅にカットしてくれているのだ。実はiPhoneは表面のガラスパネルよりもサイドからの衝撃に弱く、特に縦に落下した場合、角から伝わるダメージが致命傷になることも多い。ガラスは割れても使えなくもないが(実際、タッチパネルが割れたまま使っている人、いるよね)、メカ部分がやられてしまってはどうしようもないので、サイドと角こそ保護しなければいけないのだ。

とてもそうは見えないが、このコーナーにエアクッションテクノロジーが使われている

ということで「エアクッションテクノロジー」はとても合理的な保護技術なのだが、『タフ・アーマー』の細かい工夫はそれだけにとどまらない。

もうひとつの秘密が、スクリーン横のフチ部分が1.5mmと、わずかに盛り上がっていることだ。これによりタッチパネルを下にした状態で落としても、画面そのものにダメージが入ることなく、突起が衝撃を受け止めてくれるのだ。

1.5mmの突起が落下のダメージからディスプレイを守る

でもフチが盛り上がっていたらタッチしにくいのでは? と思うかもしれないが、そこは安心してほしい。触ってみるとわかるが、このフチ部分は画面の外へ向かって斜めにテーパード加工されているので、スワイプ操作を妨げることがないのである。この心にくいばかりの細かい工夫の数々、すべてはスタイリッシュさを保ったまま、iPhoneを強固に守るためなのである。なるほど、一番人気なのもうなずけるというものだ。

ちなみに背面パネル(カラーの部分)は1,296円と安価で別売りされているので、使い込んだら取り替えるのもありだろう。これなら本体(3,024円)を買い替えるよりもずっと安価に長く使うことができる。

……とはいうものの、『タフ・アーマー』よりももう少しだけ薄いケースが欲しいユーザーもいるだろう。そんな人には『タフ・アーマー』のポピュラーエディションとして発売されている『スリム・アーマーS』がオススメだ。

スリム・アーマーS

個人的にはオレンジがお気に入り

スペックは『タフ・アーマー』と比較して遜色ない。素材はTPUとポリカーボネートの組み合わせでできており、TPU部分が衝撃を受け止めて吸収してくれるのだ。ちなみにTPUとはウレタン樹脂のこと。ゴムのように柔らかい手触りでありながら、強力な耐衝撃性を誇るのである。

タフ・アーマーと同じく背面にはクモの巣網状のパターン加工が

底面

側面はよりシンプルに

スリープボタンもシンプルに保護

音量ボタンも露出していない

『スリム・アーマーS』のポイントは、このTPUをポリカーボネート製のハードケースでカバーしていること。これにより、よりショックを吸収できる構造になっているのだという。ポリカーボネート製のハードケースはカラーリングも特徴的で、夏らしいカラフルな8色をラインナップ。どちらかというと大人テイストな『タフ・アーマー』と比べると、軽量で薄いこともあり、女性にオススメしたいケースである。

この薄さでこの耐久性能はすごい

ちなみに『スリム・アーマーS』は『タフ・アーマー』よりも縦・横・厚みがだいたい2mm~3mmほど薄い。『タフ・アーマー』もそこまでゴツい方ではないが、『スリム・アーマーS』はその耐久性がとても信じられないほど薄型だ。素材が柔らかいおかげか、『タフ・アーマー』、『スリム・アーマーS』ともにケースの付け外しには苦労しないので、TPOやその日の気分で付け替えるのもありだと思う。せっかく、これだけ見た目も良いケースなのだから。