普段、何気なく通っている街のコンビニエンス・ストア。その店内の一角にたたずむコピー機が、知らない間に驚くほどの進化を遂げている。高画質出力などは序の口で、証明写真や住民票の写し、新聞などをプリントできるほか、最近はクラウドに保存したファイルの印刷、占いやブロマイド等のコンテンツの購入(プリントアウト)にまで対応しているのだ。近々では、有名アーティストの未発表音源の楽譜をコンビニで先行リリースするといった取り組みも注目を集めている。順を追って紹介していこう。

PrintSmashでは、スマートフォンに保存した写真や文書ファイルをWi-Fi経由でコピー機から出力可能。専用のスマートフォン向けアプリが無料で提供されている

今回紹介するのは、ファミリーマートやローソン、サークルKサンクスといった大手コンビニチェーン店に設置されている「シャープ製マルチコピー機」の機能とサービスについて。例えば「PrintSmash(プリントスマッシュ)」では、スマートフォンに保存した写真や文書ファイルをWi-Fi経由でコピー機から出力可能だ。具体的には、スマートフォン向けアプリ「PrintSmash」を使いJPEGやPDFといったファイルをL判/ 2L判(一部利用できない店舗あり)、A4光沢紙、A3 B4/ A4/ B5普通紙に印刷できる。

デジカメで撮った写真を高画質で印刷したい人には「L判写真プリント」サービスが用意されている。WordやExcelファイルの印刷には「ネットワークプリント」が利用可能。「スキャンサービス」ではメモやイラスト、手持ちの書類をスキャンしてJPEGまたはPDFファイルに変換し、USBメモリーに保存できる。「カレンダープリント」は好みの画像ファイルを使ってオリジナルのカレンダーを作成できるサービス。国内外への「ファクス送信」、クロネコFAXセンターを利用した「クロネコFAX」などにも対応する。

ネットワークプリントではPC、スマホ、タブレットからブラウザ経由で登録した文書(Word、Excel、PowerPoint)やPDF、JPEG画像がコンビニのコピー機で印刷できる

このほか、行政サービスにも対応している。住民基本台帳カードを利用して住民票の写し、住民票記載事項証明書、印鑑登録証明書、戸籍証明書、戸籍附票の写し、税の証明書といった文書をマルチコピー機から取得できる。「証明写真プリント」では、手持ちの画像で証明写真をプリントすることができる。

さらに、各種コンテンツプロバイダーが提供するコンテンツをコピー機から購入(プリントアウト)できる「コンテンツプリント」というサービスも展開。コミック、地図、フォトカード、新聞、占い、ブロマイド、POP/ちらしなど様々なコンテンツを提供している。

アーティストの楽譜が先行リリース!

このように進化したマルチコピー機のサービスを利用した企画として現在、異色の3ピースバンド「サンフジンズ」の楽譜がリリースされている。サンフジンズとは、奥田民生、岸田繁(くるり)、伊藤大地(SAKEROCK)で結成された"新人"バンド。昨年結成されたばかりで、まだCDデビューもしていない3人組だが、シャープとサンフジンズによる共同企画「<コンビニで新曲リリース!> キャンペーン」で未発表楽曲「じょじょ」の楽譜をリリースした。

プリントアウトできる楽譜は2種類。ボーカル・ギター・ドラム・ベースの全パートを記載したバンドスコア(カラー300円、白黒60円、いずれも税込み)、歌詞とメロディにコード進行が記載されたメロディ譜(カラー60円、白黒20円、いずれも税込み)が用意されており、バンド演奏や弾き語り、DTMなど色々な演奏スタイルに合わせて選ぶことができる。楽譜以外も、サンフジンズ直筆「じょじょ」歌詞カードやサンフジンズオリジナルカレンダー素材が出力可能。22日からはコンビニエンス・ストアでのプリント限定の特典として、サンフジンズ独占インタビュー記事の前編が新たにリリースされた。

サンフジンズが、未発表楽曲の楽譜をコンビニでリリースした

また、同キャンペーンのWebサイトでは、楽譜をもとにユーザーが「じょじょ」を演奏する様子を動画で投稿する「演奏動画コンテスト」を8月3日(日)まで実施。グランプリ受賞者には2014年末に開催されるイベント「FM802 RADIO CRAZY」への出演権、準グランプリ受賞者にはFM802のラジオ番組出演権がプレゼントされるとのこと。さらに、様々なアーティストによる「楽曲カバー企画」も実施されており、これまで「蜜」「OKAMOTO'S」「ねごと」がカバーを披露。7月26日(土)には「フジファブリック」がラジオで演奏を公開する予定だ。

なお、サンフジンズによる「じょじょ」の完成音源は、8月20日にキャンペーンサイト上で公開され、今後音源の発売を予定している。

(執筆:大石はるか)