シチズン時計はこのほど、東京・表参道の「CITIZEN DESIGN STUDIO」にて、「シチズン エコ・ドライブ衛星電波時計 2014新作発表会」を開催した。「BASELWORLD 2014」で発表されたフラッグシップモデルをはじめ、発売前の新作が展示された。

フラッグシップモデル「エコ・ドライブ サテライト ウエーブ F100」。空洞状のプッシュボタンが印象的だ。10月10日発売予定で、価格は17万円(税抜)から

最先端のテクノロジーとユーザー目線の機能性を兼備

同イベントで国内初披露となったのは、世界最大の時計の見本市「BASELWORLD 2014」で発表されたフラッグシップモデル「エコ・ドライブ サテライト ウエーブ F100」。"世界最速"3秒での衛星電波の受信を、"世界最薄"12.5mmのケースで実現した、未来的なデザインの光発電衛星電波時計だ。光による発電量を表示する世界初の機能「ライトレベル インディケーター」も搭載している。

フラッグシップモデルにふさわしい、世界最先端のテクノロジーが詰まっているわけだが、開発を担当したシチズン時計の木村力氏によれば、「技術主導というわけではなく、ユーザーの日常使用に必要な機能を追求した結果」とのこと。

たとえば、GPSを受信するには外で文字板を空に向ける必要があるが、「3秒で済むなら、信号待ちのときでも腕に着けたまま、さりげなく受信できる。実際に使うとわかるが、従来の(一部モデルでの)約10秒ではちょっと長く感じられ、受信する動作も挙動不審に見えてしまうかも」と木村氏。新たに専用ムーブメントを開発することで、"世界最速"3秒での受信を実現するに至ったという。

文字板の右半分に白い弧を描いているのが、「ライトレベル インディケーター」の表示部。いまいる場所での発電量を針で示す

「エコ・ドライブ サテライト ウエーブ F100」の開発を担当したシチズン時計の木村力氏。実際に同モデルを使っているそう

さらに、「せっかく世界最速で受信しても、時刻の修正に時間がかかるのでは……」(木村氏)ということで、4つの高速モーターも搭載している。それぞれの針を独立して動かすことで、スピーディな時刻修正を可能にしたという。なるほど、従来は1分の遅れを修正するために分針を進ませるには、秒針が1周する必要があったのだが、それぞれの針が独立していれば、分針のみを1分進めるだけで済むわけだ。実用面での機能性の向上に、最新の技術が惜しみなく使われていることに、日本のメーカーらしい誠実さを感じた。

「アテッサ」にもサテライト ウエーブモデルが登場

同イベントでは他にも発売前のモデルが展示された。ビジネスマンにおなじみの「アテッサ」からは、シリーズ初となるサテライト ウエーブモデルを3タイプ展示。秋冬コレクションとしても、やはりサテライト ウエーブの新作が3タイプ紹介されていた。

「アテッサ エコ・ドライブ サテライト ウエーブ」。チタニウムのバンドとケースがシンボルだ。9月3日発売予定で、価格は17万円(税抜)から

「シチズンコレクション エコ・ドライブ サテライト ウエーブ」。ケースとバンドはステンレス。9月3日発売予定で、価格は17万円(税抜)から

今回発表されたモデルは、すべて光発電機能「エコ・ドライブ」を採用した衛星電波時計となる。電池交換にも時刻合わせにも手をわずらわせない、革新的なモデルのラインナップがますます充実していく模様だ。