ポリコムジャパン ビジネスオペレーションズ シニアマネージャー 藤井浩美氏

ポリコムジャパンは7月10日、東京都・東新宿に新設したオフィスにおいて、同社の「ダイバーシティ推進戦略」についての説明会を開催した。

同説明会では、まず、ポリコムジャパン ビジネスオペレーションズ シニアマネージャーの藤井浩美氏が登壇。ダイバーシティ推進戦略の概要を説明した。

同氏によると、この取り組みの実施には2つの目的があり、1つ目を「生産性の向上と業務の効率化」、2つ目を「事業の継続・リスクマネージメント」とした。生産性の向上とは、日本法人として本社との連携などグローバル環境への対応や、さまざまなライフステージに属する社員への対応を具体的な目的としている。

ポリコムジャパン ダイバーシティ推進戦略 目的

事業の継続・リスクマネージメントに関しては、2011年の東日本大震災を例に挙げ、「地震発生当時、本社とのビデオ会議を行っていた。その後の指示を即座に仰げたことや、発生後1週間はビデオ会議を活用した自宅勤務を行ったことなどから、(ビデオ会議は)ダイバーシティを促進するツールになるのではと考えた」(藤井氏)と説明した。

ポリコムジャパンのダイバーシティ推進戦略は、3つの制度と運用インフラ・ルールの整備、オフィスの最適化を軸に置いている。

育児や介護などの事情に対応する「育児サポート制度」や「介護サポート制度」のほか、「テレワーク・フレックス制」を導入。全社員を対象に、「オフィス以外でもビデオ会議などで社員間のコミュニケーションを図り業務を遂行する」といった働き方を認め、コアタイム(11時~15時)を除く残りの就業時間は自由な場所で行うことができる制度だ。

ダイバーシティ推進戦略 3つの制度

この制度の浸透を支えるのが、運用インフラ・ルールとオフィスの最適化である。運用ルールには、必須項目と任意の項目が設けられ、「労働時間中のプレゼンス表示(Microsoft Lync利用)」や「スケジュール開示(Outlook利用)」などが義務付けられている。また、「全社員へのノートパソコンの配布」や「VPNネットワークの整備」といった運用インフラ整備も実施済みだという。

6月9日から営業開始した東京都・東新宿の新オフィスは、必要時のみオフィスに出勤する「テレワーク特化型」の仕事環境へのシフトに向け、個々の固定ディスクを廃止(技術職などの専門職を除く)。資料など私物保管用のロッカーを設け、社員のニーズに対応しつつ、仕切りのある席やオープンスペースなど用途に合わせて利用できる設計となっている。

運用インフラ・ルールの整備

オフィスの最適化

これにより、前オフィス比で約50%のスペースを削減。加えて、顧客やパートナーへのサポートを強化するため、同オフィス内に「東京カスタマーエクスペリエンスセンター(TCEC)」を新設することもできたという。

新オフィスのイメージ

テレコムジャパン マーケティング部 マーコム担当 石原聖子氏

テレワーク・フレックス制などの制度の利用事例の説明には、同社マーケティング部 マーコム担当の石原聖子氏が登壇し、社員3名の事例紹介のほか、母親の看病時に制度を活用した自身の体験談などを紹介した。

なお、同制度には「社員のセキュリティや仕事に対する意識が重要だと思う」(藤井氏)と前置きしたのち、「意識の浸透・統一のためにトレーニングなどは実施してはいないが、オフィス以外で働くことは、セキュリティ面への配慮や上司など社員同士の信頼関係が必要であるという認識が、必然的に浸透していっているように感じる」と、同戦略を行ってきた2年間を振り返った。

制度の利用事例