「若い年代がテレビを見なくなった」と言われはじめてから、学園ドラマがめっきり減った。それでも2000年代は、『ごくせん』『WATER BOYS』『野ブタ。をプロデュース』『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス』などのヒット作や、『ドラゴン桜』『ライフ』『サムライ・ハイスクール』などの意欲作が見られたが、2010年代に入ってからは「コレ」という作品はなし…。

その中で唯一健闘していたのが、AKIRA版『GTO』。2012年夏ドラマの平均視聴率1位を記録し、今をときめく川口春奈、本田翼、西内まりや、新川優愛、宮崎香蓮がブレイクのきっかけをつかんだ。これは偶然ではなく、学園ドラマが減った分、『GTO』に"各芸能事務所の推し女優"が集まったからだろう。その意味では、8日にスタートしたシリーズ第2弾(フジテレビ系 毎週火曜22:00~)への期待も大きい。ここでは、ネクストブレイク候補の女優9人を紹介していく。

朝ドラ発の演技派シンデレラ

『GTO』第1話のメインを務めた松浦雅

初回でフィーチャーされたのは、読者モデルでイケメン彼氏がいるクラスメイトの憧れ・波多野麻理子役の松浦雅。しかしその実態は、平気で遅刻する、弁当を捨ててトイレで吐く、顔のコンプレックスで整形する、読モ総選挙で勝つためにラブホへ男を連れ込む、とんでもない悪女だった。さらに、ヤンキー言葉を使い、鬼塚を殴り、下着姿を見せ、最後は大演説するなど大奮闘。主演のAKIRAがかすむ熱演だった。

松浦と言えば、ドラマ初挑戦で朝ドラに大抜てき。『ごちそうさん』でヒロインの娘・ふ久役を演じたほか、前クールでは『花咲舞が黙ってない』、今クールでは『GTO』と『家族狩り』のかけもち出演と、着実に演技経験を積み重ねている。所属事務所は、舟山久美子、宮田聡子らモデルの多いヴィズミックだが、演技経験わずか1年強で主演女優へまっしぐら。

朝ドラ出身と言えば、『あまちゃん』でGMT5のリーダー役(埼玉県アイドル)を好演した松岡茉優も出演している。役柄は優等生の学級副委員長・志条あゆなで、またもリーダー的存在だ。ただ、祖母の家で暮らし、「大人を信用していない一面もあり、初回のラストシーンで妊娠検査薬を持っていたのも気になる。所属事務所は、宮崎あおい、多部未華子らのヒラタオフィス。早くも"演技派"の声が上がっているが、その一方で、『うつけもん』『めざせ!2020年のオリンピアン』でMCを務めるマルチぶりも見逃せない。MCをバリバリこなすニュータイプの女優になるかも。

早くも業界人気トップ級の2人

今回のキャストで"ビジュアル担当"を務めるのは、吉高由里子、上野樹里、深津絵里、仲里依紗らが所属する芸能事務所アミューズの2人。

三吉彩花

松井愛莉

1人目は、人を信用しない不登校児・宮地めいり役の三吉彩花。人気女優の登竜門『Seventeen』モデルで、現在『シーブリーズ』『朝日新聞』のCMが大量放送されている。先日、今田耕司が「震えがくるくらいの美女」とコメントしたことも話題になったばかりだ。女優としては、『ロストデイズ』『結婚しない』などに出演。初回では保健室のシーンでチラッとしか登場しなかったが、吸い込まれそうな澄んだ瞳が印象的だった。

2人目は、バスケ部員をけなげに支えるマネージャー・古谷佳永子役の松井愛莉。スタイルの良さからCMやモデルの活動が多いが、昨年ドラマ『山田くんと7人の魔女』に初出演し、いきなりキスシーンに挑戦する度胸を見せた。『ゼクシィ』のCMで30人の芸人からプロポーズされていたように、恋愛モノが似合いそうだ。

三吉と松井は、アイドルユニット『さくら学院』の同期として活動し、2012年3月に同時卒業。さらに、いずれも正統派美人であり、身長171㎝の長身。スケールのデカさもあって、早くも同業者や業界人たちの支持を集めている。

童顔の正統派美少女たち

小芝風花

美女だけでなく、学園ドラマらしいピュア系の美少女もそろった。いつも笑顔でマジメな演劇部員・成瀬つぐみ役の小芝風花は、実写版『魔女の宅急便』主演に抜てきされた童顔の美少女。初回でも、黒猫ジジのぬいぐるみを肩に乗せたり、痴漢をでっちあげて鬼塚をアシストする優しさを見せたり、きっちり存在感を見せていた。所属事務所は、米倉涼子、上戸彩、武井咲、剛力彩芽ら主演女優がそろうオスカーだけに、今後も出番が多そうだ。

初回でラブホや整形写真をバラまくなど、麻理子をイジメまくった水田智美役の宮武美桜も小芝に劣らぬ美少女。『梅ちゃん先生』への出演など、女優歴はすでに7年を数える上に、先月末には女優アイドルユニットbump.yが活動終了し、ますます芝居の道に力を注いでいる。所属事務所は、堀北真希、黒木メイサ、桐谷美玲らのスウィートパワー。初回のラストで麻理子に「ごめん」と頭を下げただけに、今後は笑顔が見られる機会が増えるかも。

メンバー最年少16歳の岡本夏美にも注目。『nicola』モデルを務めているが、今年3月に"おはガール"を卒業したため、女優業への注力が期待される新星だ。今作での役柄は、弁当店のバイトで母子家庭の4人兄弟を支える柊佐奈。「音楽の世界に憧れている」役だけに、歌唱シーンもありそう。所属事務所は、岡本玲、坂田梨香子らのエヴァーグリーン

セクシーなキャンギャル&アイドル

久松郁実

学園モノに欠かせない最後のピースは、セクシー。前畑由亜役の久松郁実は、『CanCam』モデルや、『めざましテレビ』イマドキガールを務める一方、大学生になった今年は、三愛水着イメージガールに就任した。今作でも水着シーンが用意されていて、本人も「(慣れているから)負けたくない」と自信を持っているという。事務所は、山本美月、入山法子らのインセント。

最後の1人は、AKB48のアイドル・木崎ゆりあ。今作では、女の色気で寄ってきた男を足や財布代わりに使う小悪魔系女子・百合原さつき役を演じている。初回でもいきなり校内で恋人とイチャイチャするシーンがあり、今後は別の男性に乗り換えるという話も……。日ごろは恋愛禁止だけに、恋愛体質キャラの設定は面白そうだ。木崎はもともと女優志望が強く、現在時代劇にも挑戦しているなど、今年4月にSKEからAKBに移籍したことが吉と出るかもしれない。所属事務所は、AKB48グループの運営会社であるAKS。

成長を見守り、出世予想を楽しむ

今回紹介したのは、"ルックス、スター性、事務所のバックアップ"という3拍子そろった近未来の主演女優候補ばかり。すでに魅力を放ちはじめている彼女たちだが、そのほとんどが女優歴わずか数年であり、演技力は発展途上。回を重ねるごとに成長していく姿を見守るのも学園ドラマの醍醐味だ。

また、同年代の彼女たちは、事務所が違っても現場ですぐに仲良くなってしまうもの。しかし、その反面、ライバル心もメラメラ…。「最もインパクトを残すのは誰か?」「最も演技で評価されるのは誰か?」、そんなことを予想しながら見るのも楽しい。

■木村隆志
コラムニスト、テレビ・ドラマ評論家、タレントインタビュアー。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴する重度のウォッチャー。雑誌やウェブにコラムを提供するほか、取材歴1000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書は『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。