「IoT」や「ウェアラブル」がBuzzワードとして注目を集めるなか、今年秋の発表が噂されるAppleの腕時計型デバイス「iWatch」に業界の熱視線が注がれている。新製品が登場しては爆発的な人気も見られず埋もれていくスマートウォッチの世界でなぜAppleに注目なのかを考えてみたい。

米Googleが今年6月下旬に開催された開発者会議のGoogle I/Oで「Android Wear」に対応したデバイス群を初お披露目した。壇上では対応デバイスを使った各種デモが紹介されたが、正直なところ既存製品と大きな違いがみられず、筆者としてはあまり魅力を感じなかった。

Google I/Oで発表されたAndroid Wearデバイス。写真左=G Watch、写真右=Gear Live

理由はシンプルで、これまで大手のソニーやSamsungといったメーカーが出荷してきたスマートウォッチ製品と大きな違いがみられず、利用シーンも想像を大きく逸脱するものではなかったからだ。アプリやサービス開発者的にはAPIが整備され、プラットフォームが共通化されることで参入障壁が下がるというメリットがあるだろう。

一方で、過去1年以上にわたって大手やベンチャーを含む各社からスマートウォッチがリリースされていたにもかかわらず、さほど大きなブームにならなかった点で、それらをそのまま踏襲して登場したAndroid Wearが市場を大きく開拓する勢力になるとも思えない。開発者にとっても、可能性がどちらの意味でも未知数の市場にリソースを傾けるのは依然リスクだ。ゆえに現状のままでのAndroid Wearでは大きくブレイクできないというのが筆者の意見だ。