就職活動では内定がでた後、内定者懇親会なるものが開催されます。研修とセットになっていることが多く、グループワークなどに励んだ後、居酒屋などで一席が設けられます。

内定者として気を付けたいこと

もちろん目的があり、内定者同士の交流の場とする、先輩社員と親交を深める、他社に流させないための囲い込みなど、さまざまです。

そのとき、内定者として気を付けたいことがあります。
筆者自身、ここでの失敗を未だに引きずって心を痛めています……(ギャグのつもりで老け顔を生かして「沖縄出身、元漁師、28歳、子持ち」という自己紹介をしたら場の空気が信じられないくらい微妙な感じになった)。

新入社員にすらなっていないのに、その後の会社人生に悪影響が及ぼすことは、避けたいものです。

人事や先輩社員は内定者を観察している

開催される目的はさまざまですが、そこには内定者の人となりを探ることも含まれています。面接を経ているとはいえ、しょせんそれは仮初めの姿。多くの学生が猫をかぶってニャンニャンおべんちゃらを並べていたことを会社は分かっています。他の内定者との関わり方などから、自分が観察されていることを理解しておきましょう。

会社によっては先輩社員が招集されますが、その先輩社員には「観察レポート」が課されていることもあります(恐ろしい!)。

真実はアナタ自身が先輩社員になるまで分かりませんが、それを踏まえれば、自然と自分がどのようにふるまうかも変わります。

希望の配属などがあれば、それを匂わせることも有効かもしれません。

先輩社員は「今年の新入社員」の話が大好き

人間関係的な部分でも響いてきます。

ほぼ例外なく会社員は「今年の新入社員」の話が大好きです(アナタもサークルなどで経験しているはず)。

うわさ話は瞬く間に広がり、時にはオヒレハヒレがくっついてしまうことも。やれ今年の内定者はあいさつができない、服装で調子に乗っている……。

「シメたらなアカンなァ(ポキポキ)」などと思われては最悪です。
くだらないうわさ話で先入観を持たれては、業務に影響がでて余計な心労を持つことになりかねません。

また、逆に良いうわさも広まるものです。気を抜かず、品行方正にいきましょう。特にアルコールが出るのであれば自重したいですね。

内定者同士でも心を許すのは早い

内定者が一堂に会すると親近感が湧きます。同じような志向で会社を選び、同じ選考を乗り越えて、これから同じ組織の一員になるわけですから、それは当然です。

FacebookやLINEなどで「最高の仲間たちに感謝!」とすてき写真を載せることもあるでしょう(もはや風物詩化しています)。

しかし、冷静に考えて、実際には内定者はお互いのことをほとんど知りません。なんとなく仲間としての空気を共有しているだけです。

ですから、自分の言動には、楽しむことを阻害しない範囲で、細心の注意を払うべきです。 最初は仲良しこよしをしていたのに、しばらくしたらさまざまな理由で同期内分裂が起きるなど、もはや通例でしょう(その様子を冷静な人たちが嘲笑するというのもまた通例です)。

油断は大敵です。
空気に流されて半端な信用をした結果、思っていたような人物ではなかったために、痛い目にあうかもしれません。退社しない限り、長い付き合いになります。少し時間をかけてどのような人物か探ってもよいはずです。

以上です。

僕もやり直せるものなら、やり直したいかもしれません……。
そんな後悔を、アナタはしないようにしてください。

※画像は本文とは関係ありません


>武野光
>平成2年生まれ。「TOEIC未受験」「サークル未所属」「友達の数が片手未満」といった状況から就職活動に挑み、その体験から得た教訓をつづったブログ『無能の就活。』が大きな反響に。現在はサラリーマンと兼業で作家活動を行う。著書に『凡人内定戦略』『凡人面接戦略』(中経出版)、『就活あるある ~内定する人しない人~』(主婦と生活社)など。マイナビ2016でも、マンガ『キミ! さいよー』(石原まこちん/小学館)内で、一言コラム平成ベビーの就活用語辞典掲載