【レポート】

ストレージシステム構築の新たな選択肢「ハイブリッド・ストレージ」

 

プロセッサの演算スピードは、半導体の集積密度が18~24カ月ごとに倍増するという「ムーアの法則」に基づいて高速化を続けている。しかし、ディスクの性能はアーキテクチャの問題から劇的な高速化は今後も望めそうにない。そのため、プロセッサの性能とディスクの性能のギャップは大きくなってきている。

その一方で、増え続けるデータ、高い性能や信頼性、リソースの有効利用など、ストレージに対する要求は多様化・高度化している。

回転して必要なデータを読み書きするディスクでは、ランダムI/O処理が遅いという構造的な制約がある。フラッシュメモリは、ディスクより高速だが、容量では勝負にならない。そこでストレージベンダーは、フラッシュとディスクを組み合わせたストレージの階層化を提唱してきたが、どちらも課題解決の決定打とはなっていない。

そこで有効な手段となるのが「ハイブリッド・ストレージ」という新たな選択肢である。

2014年6月11日、千葉県幕張メッセで開催されたInterop Tokyo 2014にて、ソリューションディストリビューターであるネットワンパートナーズは、「いまこそ、ハイブリッド・ストレージ」と題したセッションを行った。本稿では、この新たな選択肢について語った同社の講演の模様を紹介しよう。

ストレージの管理を軽減するTintri VMstore

ネットワンパートナーズ ソリューション事業部 プラットフォーム営業部 堀切裕史氏

セッションに登壇したソリューション事業部 プラットフォーム営業部の堀切裕史氏は、「ハイブリッド・ストレージは、SSDとディスク、プロセッサを1つの筐体に搭載したアプライアンス製品です。規模や利用環境に合わせて、Tintri VMstoreとNimble Storageという2つのハイブリッド・ストレージ製品を提供しています」と語る。

「Tintri VMstore」は、ボリュームやLUNに代わり、VMや仮想ディスクでストレージを管理する、仮想化環境に特化したハイブリッド・ストレージ製品である。リソースの割り当てや増設の方法など、ストレージ環境の設計を不要にした容易な運用が特長だ。

Tintri VMstoreには、”フラッシュストレージ”と”仮想化システム”に最適化された同社独自のTintri OSが搭載されている。仮想化とストレージ双方のエキスパートにより設計された仮想化環境専用のアーキテクチャーからストレージインフラを直接、VMやビジネスアプリケーションと関連づける仕組みを提供する。これがパフォーマンスや管理の面でも活きることになる。

設置して電源をオンにし、IPアドレスなどの簡単な設定だけでストレージ環境を構築できる。「VMware vCenter」との連携が可能で、vCenterから13.5TB、または33.5TBの1つのストレージボリュームとしてTintri VMstoreを管理することができる。

堀切氏は、「VM単位でストレージを管理できるので、どのVMがより多くのリソースを使っているかがひと目でわかります。また、表示されたVMをドリルダウンすることで、サーバー、ネットワーク、ストレージのどこで問題が発生し、レイテンシーが高くなっているのかを容易に把握できます」と話している。

また、1つのVMが非常に高負荷になった場合、ほかのVMの性能に悪影響を及ぼしてしまうことになる。Tintri VMstoreでは、QoSを自動設定する機能が搭載されており、ほかのVMへの影響を最小限にしながら、高負荷のVMに効率的にリソースを割り振ることができる。

Tintri VMstoreの特徴1 ~VM単位の管理~

Tintri VMstoreの特徴2 ~自動QoS~

さらにネットワンパートナーズでは、2014年4月25日にTintri VMstoreをベースとした仮想デスクトップパッケージ「Unified Universal Unit Pak(U3Pak)」を発表している。U3Pakでは、拡張が容易な200ユーザー版の「U3Pak 200」と、よりコストパフォーマンスを高めた500ユーザー版の「U3Pak 500」という、2つのモデルが提供される。

これまでのVDIには、「導入や設定、構築、運用が難しい」「VDIが停止すると業務も止まる」「問題の原因究明に時間がかかる」「サイジングが難しい」などの課題があった。U3Pakでは、事前にパフォーマンス検証を実施しており、5分間で500ユーザーがログインするのと同時に高負荷アプリケーションを同時利用するような状況でも安定したパフォーマンスを発揮できる。

堀切氏は、「同性能のシステム構成における5年間の電気料金を比較した場合、U3Pakは他社製品に比べ最大で130万円削減することができます。そのほか、スペース効率を70%、運用管理コストを68%削減できるほか、グリーンICT化を3倍改善できるという試算が出ています」と話している。

性能と容量の課題を解決するNimble Storage

「Nimble Storage」は、フラッシュとディスク、マルチコアプロセッサを1つの筐体に搭載したハイブリッド・ストレージ製品。ランダムI/Oのデータをシーケンシャルに並べ、圧縮しながらディスクに書き込む「Cache Accelerated Sequential Layout:CASL(キャッスル)」と呼ばれる独自開発のアーキテクチャも搭載している。

堀切氏は、「CASLにより、これまでストレージが抱えていた性能と容量の課題を解決することができます。一般的なストレージ製品に比べ、30~75%多いデータを書き込むことができるほか、利用頻度の高いデータをフラッシュにキャッシュすることで、高いパフォーマンスを実現します」と話す。

また、データリカバリ機能やスナップショット機能も標準搭載。スケールアウトによる拡張で、複数のNimble Storageを1つのストレージとして利用することもできる。こうした機能により、他社製品に比べ、同じ価格で5倍の容量を実現し、設置コスト・冷却コストなど、TCO(総保有コスト)を4分の1に削減できるとしている。

さらに、クラウド環境からストレージの監視、分析、管理を可能にする運用管理ツール「InfoSight」を使うことで、複雑化するストレージ管理の課題を解決することも可能だ。InfoSightは、各Nimble Storageから毎時300万件以上の監視情報をクラウド環境に収集し、分析エンジンで解析して、運用状況のグラフやレポートを作成する。

Nimble Storageの特徴 ~InfoSight~

Nimble Storageに問題が発生したときには、プロアクティブ診断サービスにより、リモートで問題を解決することも可能。仮想化、データベース、アプリケーション、ネットワークなどの分野における主要ベンダーの検証済みのリファレンスアーキテクチャをホワイトペーパーなどで公開する「SmartStack」も提供されている。

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