マイナビニュース会員のパパ&ママ199名にとったアンケートによると、「我が子と接していて、イライラしたりカッとしたりしたことがある」と回答した人は56.3%と過半数となった。その理由に関しては、「熟睡してくれないとき」「夜泣きがひどいとき」といった眠りに関する内容を挙げている回答者が目立った。

赤ちゃんと眠り。今回はこのことについて考えてみるとしよう。

すやすや眠る赤ちゃん。新生児期は1日に20時間程度眠るという

生まれたばかりの新生児の睡眠時間は、1日に20時間前後といわれ、1日の大半を寝て過ごす。その後、赤ちゃんの睡眠リズムが確立されるのは一般的には生後半年ほどといわれてきた。月齢が低いと夜間も3時間おきの授乳をするケースが大半で、昼間に赤ちゃんが寝付くと、「やっと私も寝られる……」とダラダラと一緒に昼寝をしてしまい、ハッと気づけば外は薄暗くなっていた……というママも多いだろう。

実はそんな日々が続いてしまうのは危ない。今回は、「眠りの専門医」こと「スリープクリニック調布」院長・遠藤拓郎先生に赤ちゃんの睡眠について解説していただく。遠藤先生によると、赤ちゃんは生後5日目で「夜寝て朝起きる」といった睡眠サイクルができあがるのだというのだ。

「夜8時に寝かせて朝8時に起こす」が基本

赤ちゃんの成長にとって睡眠は非常に重要だが、「昼夜関係なくダラダラと寝かせてしまうのは、効果的な睡眠といえません。睡眠を支配する体内時計は癖がつきやすく、悪い癖がつくとなかなか治りません」。ここからは、赤ちゃんの体内時計や生活リズムを整え、ぐっすりと眠るための具体的な方法を紹介していこう。

遠藤先生によると、基本は「夜8時に寝かせて朝8時に起こす」。この生活リズムを確立させることで、赤ちゃんの体内時計が正常化するという。体内時計は光に影響されるため、まずは朝起きるとしっかりと太陽の光を浴びさせることが重要。夜になっても明るい部屋にい続けると、体内時計が狂ってしまうので、夜8時までには天井の照明から間接照明などに切り替え、薄暗くした寝室で寝かせてあげよう。

赤ちゃんがぐずってなかなか寝ないときは、赤ちゃんの手足を触ってみよう。もし冷たくなっていたら、手で握って温めてあげて血行を促進すると眠りやすくなるという。また、赤ちゃん自身がかんしゃくを起こしていると興奮してますます眠りにくくなるため、注意をそらしてあげることも効果的。子守歌などを聴かせているうちに落ち着き、寝付きやすくなる。

見逃しやすい「オムツ」の存在

その他、「吸収性の高いさらさらのオムツの使用も重要」と遠藤先生。その理由は、寝ている間にお尻がぬれた状態になると、それが原因で赤ちゃんが目を覚ますことがあるからだ。「赤ちゃんはおしっこをする15分前からおしっこ後の10分までの間に体を顕著に動かすという調査データがあり、つまりはおしっこ前後で目を覚ましやすい状態にあります。この時にお尻がぬれた感覚がプラスされると、はっきりと目を覚ましてしまう可能性が高くなります」。赤ちゃんがおしっこをするとすばやく吸収。しかも表面に逆戻りしにくいオムツが理想というわけだ。

赤ちゃんは、おしっこの前後に体を良く動かしていることがわかる

赤ちゃんの夜泣きに悩むパパ&ママは睡眠不足に陥り、「根本的な原因を探る! 」という心の余裕すらなくしがち。まずは昼夜のメリハリをつけ、寝室環境を整える。そして、オムツも見直してみる。それで赤ちゃんの眠りが改善されるかもしれない。

また遠藤先生によると、「乳児期の悪い睡眠習慣が影響し、成長しても朝起きることが苦手となり、将来の不登校の原因となってしまう可能性もあります」とのこと。質の悪い眠りは、乳幼児期だけの問題ではないのだ。