【インタビュー】

猫アレルギーになったら猫を飼うことは本当にできないの? 医者に尋ねてみた

  [2014/06/25]

猫と遊ぶと目が真っ赤に充血し、鼻水がずるり。さらに、くしゃみが止まらない……。猫アレルギーの人は、どんなに猫を愛していても一緒に暮らすことは絶対ムリ! と思うはず。しかし、医師である阿部達也さんは、重度の猫アレルギーにもかかわらず、自宅には猫が17匹もいるそう。猫たちとの共同生活術についてうかがった。

(画像は本文と関係ありません)

猫と一緒に暮らしていても猫アレルギーになるの?

――阿部さんは猫アレルギーなのに、御自宅で猫を17匹も飼っていらっしゃるとか。問題ないのでしょうか?

「私が猫アレルギーを自覚したのは、もう20年も前、猫を飼い始めて数年たった頃でした。鼻炎、ぜんそく症状がひどく、くしゃみや鼻水が止まらずに、呼吸が苦しい。もう日常生活にも支障が出るほどでした」

――すぐに猫アレルギーだとわかったのですか?

「最初は普通のぜんそくと思って治療していました。あるとき、出張などで自宅を離れると症状が出なくなることに気づきました。あっ、これは猫だな、猫アレルギーだなと……」

――そんなにひどい症状が出ても、猫を飼うことをやめなかったのでしょうか?

「家族全員、猫が大好き。猫を飼い始めて、猫のいない生活は考えられなくなってしまっていました。妻も子供たちも、私より猫の方がちょっぴり大切なんです(笑)。

そんなわけで、猫アレルギーとの格闘が始まったわけですが、私自身も猫が大好きなので、アレルギーだから猫を飼うのをやめようとは一度も考えませんでしたね」

猫と一緒に暮らすために実践した3つのアレルギー対策

――その格闘の末に、今では症状も軽くなったのでしょうか?

「そうですね、大分改善されました。アレルギーはつらいのですが、猫も家族の一員ですから、一緒に暮らす楽しさの方がずっとずっと大きいです」

――阿部さんのなさってきた格闘というか、猫アレルギー対策とは?

「猫アレルギー対策のポイントは3つですね。

第1は、家の中をしっかり掃除する。アレルギーを引き起こす猫アレルゲンは、フケや抜け毛に付着して室内を浮遊し、カーテンに付着したり床に降り積もったりします。これを徹底的に取り除きます。

家では私がその担当でした。自分の身は自分で守らないといけません。カーペットは撤去し、掃除機がけをし、カーテンもできるだけまめに洗濯するようにしています。今はやっていませんが、以前は寝室にだけは猫を入れないようにしていました。

第2は、猫の体をできるだけ清潔に保つため、こまめなブラッシングを欠かさないこと。私は、マスクで完全防備をして行っています。ブラッシングの後は必ず手を洗います。

第3に、専門医師の診察・治療を受けることです。猫アレルゲンを減らしても、残念ながらなかなか症状は改善しませんでした。アレルギー反応を押さえて症状を緩和する薬で、症状は随分改善されます」

ちなみに、猫アレルギーの原因となる猫アレルゲンには、猫の脂線から分泌されるセレクトグロビンや、唾液に含まれるリポカリンなど5種の糖タンパクがあり、それらがフケや抜け毛に付着して空気中に飛び散るのだという。その除去には空気清浄機も効果的とされる。

メス猫の方がアレルゲン分泌が少ない。猫種によっても違いあり

――シャンプーをしたり、猫の食事に気を使ったりすることは、猫アレルギーの対策として効果的だといいますが……。

「うちの猫はシャンプー嫌いなので、めったにしていません。猫の食事はキャットフードで、できるだけ良質な脂質を含むものを選んで食べさせる。そんな程度です」

――阿部さんのお話をうかがっていると、猫アレルギーだから猫は飼えないと諦めてしまう必要はないような気がします。

「そうですね、17匹も飼っている私が何とかなっているわけですからね。やむを得ず、猫アレルギーなのに猫が家族になってしまった場合は、先に申し上げたような猫アレルギーへの3つの対策をまずは試してみてはいかがでしょうか。

補足的に申し上げておけば、オス猫とメス猫なら、メス猫の方がアレルギンの分泌は少ないとされます。オスの場合は去勢するとアレルギン分泌が抑えられるそうです。

また、猫種によってもアレルゲンの分泌量に違いがあって、アビシニアンやロシアンブルーは比較的少ないと言われていますので、少しでもアレルギーリスクを小さくしたいなら、そうした猫種を選んだらいかがでしょう」

――阿部家の猫たちもアビシニアンなのですか?

「いえ、うちの猫は全部雑種です(笑)。知人から子猫を譲ってもらって飼い始めて、最初からこんなに多かったわけではありません。子供が生まれたり、捨て猫がかわいそうで連れ帰ったりして、いつのまにか17匹になっていたのです。猫が外から猫を連れ帰って、そのままファミリーの一員になったケースもありました」

猫アレルギーの人だって、猫との暮らしが不可能なわけではない。ただし、相当な覚悟と努力が必要と、阿部さんは教えてくれた。

●阿部達也(あべたつや):石岡第一病院 消化器内科医師。現在は単身赴任中で、自宅の猫たちとは別々に暮らしている。

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