KDDI、沖縄セルラーは6月25日、auの新料金プラン「カケホとデジラ」を発表した。同プランは国内音声通話定額プラン「電話カケ放題プラン」と6つの容量から選べるデータ通信料定額サービス「データ定額」を組み合わせたもの。

利用状況に応じたデータ通信の容量が選べる、個人でも家族でも自由にデータをシェアできる、長期利用者に優遇措置がある、固定セット割で安くなるなど、先行して新料金プランを発表したNTTドコモ、ソフトバンクモバイルの2社に比べて「"安く"さらに"使いやすく"なっている」と言ってよい内容となっている。

本稿ではNTTドコモの「かけホーダイ&パケあえる」(提供中)、ソフトバンクモバイルの「スマ放題」(7月1日から開始)と比較しながら、カケホとデジラ(4G LTEスマートフォン向け)の特長について紹介していきたい。

新料金プランの概要

カケホとデジラは、電話カケ放題(音声通話定額)とデータ自由ライフ(データ通信料定額)を組み合わせたもので、8月13日から提供が開始される。これを受け、料金プランの構成は「基本プラン(音声定額)+ISP料金+データ通信パック」となる。4G LTEスマートフォン向けの基本プランは2700円/ 月、ISP料金は300円/ 月で、これは3社とも同額だ。

カケホとデジラではまず、データ通信パックとして、auでは2GB/ 3GB/ 5GB/ 8GB/ 10GB/ 13GBを提供。他社のプランでは2GB/ 5GB/ 10GB/ 15GB/ 20GB/ 30GBしか選べなかったが、auのプランでは3GB/ 8GB/ 13GBが選べる仕様。利用者が多いと思われる3GB、8GBあたりを見ると、使い勝手が格段に上がったことがわかる。また、データ容量が足りない場合は0.5GBを550円で、1GBを1000円で購入できるデータ購入サービス「データチャージ」を利用できる。

auでは2GB/ 3GB/ 5GB/ 8GB/ 10GB/ 13GBのデータ通信パックを提供。幅が細かくて使いやすい

また家族間でデータ容量を贈れる「データギフト」も用意。これは国内事業者初の試みとのこと。これにより個人でも家族でも自由に無駄なくパケットを使い切ることができる。ちなみに他社のプランでは、個人で使うか・家族で使うかの2択しか選べない。このほか、他社で必要だった追加費用(データシェアを利用する子回線1回線につき500円/ 月)が、auでは無料となっている。これも嬉しいところだ。

割引施策についても、auは独自色を打ち出した。長期利用者への優遇措置として、au契約期間に応じて定期的にデータ容量を提供する「長期優待データギフト」を用意。また固定回線とセットで契約することで割引が適用される「auスマートバリュー」の対象とすることで、最大2年間1,410円の割引を提供する。ちなみにドコモでは固定回線とのセット割を提供しておらず、ソフトバンクで提供している「スマホBB割」は料金プランに適用できない仕様。新料金プランに固定セット割を適用できるのはauだけで、他社にはない大きな強みとなっている。

auスマートバリュー適用時の料金表

ちなみに1GBあたりの単価を計算してみても、auのプランは他社のプランより毎月数百円安い。

新料金プランの比較表。カケホとデジラは、auスマートバリュー適用の場合

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料金プラン競争の口火を切ったNTTドコモの"かけホーダイ&パケあえる"は、確かに斬新な料金プランだった。しかし使い方によっては現行のプランより割高になってしまう可能性があり、いくつかの要素には疑問を抱かざるを得なかった。続いて発表されたソフトバンクの"スマ放題"だが、こちらはドコモの焼き増しとも言える内容だ。

今回発表されたauの新料金プランは他社の料金プランの弱点を修正し、さらには固定回線とのセット割など、au独自の強みが最大限に活かされた内容となっている。選べるデータ容量が豊富なので個人の利用シーンに合ったプランが選択可能なほか、1Gあたりの単価も安いのでヘビーユーザーにもオススメだ。加えて、個人で自由に使いながらも家族で無駄なく使いきりができる「データギフト」も用意されている。料金プランは、スマートフォンの使い勝手を大きく左右する。「カケホとデジラ」の発表は、今後の利用者の動向に少なからぬ影響を与えそうだ。

3社の新料金プランをグラフで比較