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カーニヴァル

『カーニヴァル』御巫桃也(一迅社)

ウブで世間知らずの主人公・无(ない)は、ある腕輪を手掛かりに嘉禄(かろく)という兄(?)を捜すことになる。旅の途中で“悪い仲間”花礫(がれき)という少年と出会い、行動をともにする。特殊な能力を持つ“艇闘員”で形成される輪(サーカス)と呼ばれる国家防衛機関、そして輪に敵対する火不火(かふか)という犯罪集団の存在、その火不火によって「進化」と称し作られる人間の形をした化け物“能力者”……生物学的に人間ではなく、動物であるとジャッジされた主人公の正体とは……? 昨年アニメ化もされ話題となったので、ご存じの方も多かろう、御巫桃也による「カーニヴァル」は、壮大なスペクタルで展開するファンタジー。ところどころでポイントとなるアクションシーンのコマ割や人物の描き方に多少見辛いところもあるが、そこは勢いで読み進めてよし。この卓越した物語性をもった本作、なんと御巫桃也のデビュー作らしいというのが驚き。キャラクター設定も細かく、ぜひ、お気に入りの人物に感情移入して読んでいただきたい。

オイ!!オバさん

『オイ!!オバさん』いづみかつき(秋田書店)

いづみかつきの「オイ!!オバさん」は、主人公・沢田透が、同い年の自分の叔母・安宅菅子との“変わった”関係をベースにさまざまなストーリーを繰り広げていく学園ラブコメディ。地元である都内の高校に進学し、お気に入りの女の子と同じクラスになった透。順風満帆と思いきやしかし、そこへ現れるのが千葉から転校して来たというカワイイ女子高生・菅子。その菅子は、透の祖母が生んだ、ずいぶん年の透の母親の妹、つまり透に取っては同い年の叔母なのである! 透を自分のカワイイ甥と願って止まない菅子であったが、実は地元では“悪魔女(メドューサ)”と呼ばれていた極悪ヤンキーである事実を隠してフツーの女の子として都内に編入してきたという理由があった。時にベタベタ、時にイチャイチャする菅子は、もちろん反抗期の透には迷惑千万の存在。普段は学校ナンバーワンのかわいさを誇る菅子がいつメドューサに変身するのか、そして2人の“恋”の行方は? 良い意味で大ざっぱな絵柄、「誰がオバさんじゃ、ゴルァー!」といった言葉遣いなど、明らかに古き良き80年代ヤンキー漫画の系譜上に位置するハートフルな作風・展開が好感触。

むすんでひらいて

『むすんでひらいて』水瀬マユ(マックガーデン)

高校入学初日、学校一美人の先輩で、男と付き合うことができないある秘密を持つ朝木日摩裏に一目惚れをした主人公・古屋広呂はどうなる? 古屋広呂の親友で、学校一の情報屋・明智桂が好きになってしまいそうな漫画家志望の内気な女子高生・牧原理央の恋の行方はどうなる? そしてその明智の幼馴染で家が隣同士、家族ぐるみの付き合いをしているが、明智に恋心を抱く、澤村夏の思いはどうなる? 澤村夏に触発されたイケメン・西村友樹の叶わぬ恋の行方はどうなる? 空手の達人ながらある理由で引きこもり状態の古谷舞は文化祭でメイドのコスプレになるのか? そんな、どうなる?が満載の水瀬マユの「むすんでひらいて」は、オムニバス形式の学園ラブストーリー。とにかく女性を書きたい!という著者、軽快なストーリー展開も相まって、読みやすいのが◎。基本、各話独立しており、一話完結っぽくありつつも、それぞれの主人公が絡み合うさまは、著者の手腕と言うべきか。煮え切らない高校生の恋物語、懐かしいねぇと微笑ましく、広い心で読んでいただきたい。

1位は渡辺航の『弱虫ペダル』、3位は椿いづみの『月刊少女野崎くん』、7位は木風巽の『君が妖は』などがランクインしている。なお5月の少年漫画ランキングは以下の通り。

順位 作品タイトル 著者/原作者名
1位 弱虫ペダル 渡辺航
2位 カーニヴァル 御巫桃也
3位 月刊少女野崎くん 椿いづみ
4位 オイ!!オバさん いづみかつき
5位 猫絵十兵衛~御伽草紙~ 永尾まる
6位 むすんでひらいて 水瀬マユ
7位 君が妖派 木風巽
8位 銀牙—流れ星 銀— 高橋よしひろ
9位 鋼の錬金術師 荒川弘
10位 範馬方刃牙 板垣恵介