Intelは、本格的にデスクトップPC市場のテコ入れに乗り出した。同社は今年3月に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催された「Game Developer Conference 2014」において、2014年は「デスクトップPCの再発明」を図るとし、精力的に新製品を投入する計画を明らかにしていた。

そして、先頃、台湾・台北市で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2014では、同社のデスクトップPC戦略を受けたパーツベンダー各社が、次期フラグシップCPUとなる"Haswell-E"(ハスウェル-E : 開発コードネーム)のプラットフォームとなるIntel X99チップセット搭載マザーボードや、DDR4 SDRMモジュール、より高性能な水冷クーラーなどを公開するとともに、連日、COMPUTEXにあわせて発表された"Devil's Canyon"(デヴィルズ・キャニオン)ことIntel Core i7-4790Kを使ったオーバークロック大会を開催するなど、PC自作市場にとって、久しぶりに盛り上がりのある展示会となった。

COMPUTEXの開催にあわせて発表された、Devil's Canyon

そこで今回は、COMPUTEX TAIPEI期間中に開催された、IntelでデスクトップPCビジネスを統括するリサ・グラフ副社長(Lisa Graff, Vice President and General Manager of Intel Desktop Client Platforms)のグループインタビューの内容をまじえ、IntelのデスクトップPC戦略をまとめてみる。

COMPUTEX TAIPEI 2014において、デスクトップPC戦略を語るリサ・グラフ副社長

厳しい市場環境でもデスクトップ市場は安定

ご存じのとおり、PC市場は昨年10%以上の落ち込み(米IT調査会社ガートナー調べ)をみせ、その傾向は今後も続くと指摘するリサーチも多い。しかし、グラフ氏は「厳しいPC市場環境にあってもデスクトップ市場は安定し、ここにきて東南アジア、オーストラリアなど、5%前後の成長を見せる地域も出始めている」と指摘。この動きを加速すべく、積極的な新製品展開だけでなく、魅力的なデスクトップPCプラットフォーム構築のためのマーケティング戦略などを展開していく意向を示す。

同氏は、現在のデスクトップPC市場の牽引役が、

  • ゲーム&エンスージアスト
  • AIO (All-In-One : オールインワン)
  • ミニPC (NUCなど)
  • の3分野であると分析。このうち、比較的新しいデスクトップPCのジャンルとなるAIOは、2011年~2013年の間に16%の成長を示し、IntelのNUCやGIGABYTE TechnologyのBRIXに代表されるミニPC市場は、2014年には50%の成長が見込まれると言う。しかし、同社がデスクトップPC市場の牽引役として重視するのは、ゲーミング&エンスージアスト市場だ。

    デスクトップPC市場では、タワー型PC以外の分野で堅調な成長を持続している