これまでにも傾けてメニューにアクセスするようなUIは存在したが、加速度センサとジャイロセンサからの情報だけでは、メニューパネルを引き出したくない時にも出てしまうような精度だった。Dynamic Perspectiveは、より自然で、実用的なものになっているようだ。Amazonユーザーの反応を紹介するビデオの中で1歳の子供がいるというお母さんは「いつも片手しか使えないから、これは助かる!」と感激していた。

ただし、マップ・アプリのデモを見る限りでは、奥行きのある表現が必ずしもマップの見やすさにつながってはいない。不自然に感じる時もある。Dynamic Perspectiveを生かすも殺すもアイディア次第。有用な実装にもなれば、Androidのライブ壁紙のような目を引くだけの機能にもなり得る。

さじ加減を誤ったら「Fire Phone UI is a mess (Fire PhoneのUIはめちゃくちゃだ)」というような感想も出てくる。可能性は大きいが、それを引き出すテクニックの試行錯誤がしばらく続きそうな印象だ。Appleのように、標準アプリでその機能の良さを十分に知らしめてから、SDK公開というステップを踏んでも良かったように思う。

奥行きのある表現はひと目でDynamic Perspectiveの効果を伝えられるので、Amazonは積極的に取り入れているが、ユーザーにとって役立つように提供しなければ、その価値は失われる

そんなFire Phoneだが、今回の発表の最大のサプライズは、価格とサービスプランでサプライズがなかったことだ。