【インタビュー】

「カラスに襲われ舌が裂けた子猫を保護しました」

 

北海道に住むご夫婦はとある日、道路からすさまじい悲鳴を聞きました。2013年6月2日のこと。あわてて見に行ってみると、小さな子猫がカラスに襲われていました。

ご夫婦はカラスから子猫を助け、動物病院に連れていきます。先生に診ていただくと、子猫は顎が粉砕骨折、喉には穴があき、舌も裂けていることがわかりました。子猫は「わさび」という名前をつけられ、お母さんの必死の看病を受けます。自力でミルクを飲むことができないので、ご飯はカテーテルを使って与えられます。お母さんは会社に相談し、勤務の時間を減らしてわさびちゃんの看護をしました。

とても可愛らしい子猫であったわさびちゃん。お母さんは、その写真をツイッターインスタグラムに投稿します。

ご夫婦の家には、ゴールデン・レトリバーのぽんずちゃんもいました。わさびちゃんのお世話をしてくれる立派なお姉さんです。

わさびちゃんとぽんずちゃんはあっという間に仲良くなりました。一緒に遊んだり、かくれんぼをしたり、一緒に眠ったりと二人の様子はまるで本当の姉妹のようでした。

容態が急変

ご家族の丁寧な看護をうけたわさびちゃん。てんかん発作の疑いがあり、多いときには1日に10以上も発生してしまっていたそうです。その後、徐々に発作の回数は減っていきます。ところが8月26日、わさびちゃんは激しく吐いてしまうなど、容態が急変。27日には病院で集中して治療を受けますが、夕方には息を引きとりました。

わさびちゃんのママさんへ

――わさびちゃん、という名前の由来を教えてください

わさび(山葵)が好きだったから。

犬のぽんずもそうですが、これまで割と、ペットの名前に和風のネーミングが多かったことと、ぽんず(ポン酢)と調味料繋がりということでわさびにしました。

――わさびちゃんの一番可愛いところはどこですか?

いたずら、やんちゃなところです。ぽんずはおとなしい子だったので、わさびのやんちゃっぷりが新鮮というか、とにかく面白くて、かわいくて仕方なかったです。いたずらをしているわさびを見て、こちらもからかい半分で「こら~!」といったりして遊ぶのがすごく楽しかったです。わさびの自由奔放な様子を見て、癒やされました。

――わさびちゃんの好きなもの、嫌いなものを教えてください

好きなものは、ぽんず(愛称:ぽんちゃん)とおばあちゃん(わさびちゃん母さんのお母さん。わさびちゃんから見ておばあちゃん)。 嫌いなものは、ご飯(特に離乳食)を食べる練習。

――一緒に暮らしていて一番嬉しかったことを教えてください

体重が増えた時は、テンションが上がりました。わさびは自分から進んでご飯を食べることがなかったので、食欲旺盛というにはほど遠く、ミルクや離乳食をあげてもあまり体重が増えなくて、心配でした。そんな時に少しでも体重が増えていると、良かった!と喜んだものです。

また、てんかん(とおぼしき)発作があった頃は、発作が治まるとほっとしました。 体重の増加にしても、発作の鎮静にしても、口の中の穴(カラスにつつかれてできた)が塞がった時もそうですが、不安から解き放たれて、少しでも先が見えるというか、安心の兆しが感じられる時が嬉しかったです。

――一緒に暮らしていて一番驚いたことを教えてください

あんなに小さくても、高いところに上ってスタスタ歩いていたり、ジャンプしたりしているのを見たりした時、驚いたものです。こんなに小さくても、猫らしい行動をするものなんだなぁ、と。

わさびは怪我を負った状態でうちにきて、しばらくは介護が必要だったこともあり、こんなふうに活発に運動できるようになるとは思っていなかったというのもあるかもしれません。そういう当たり前の猫らしい行動をわさびがしてくれた時に、感動を覚えました。

ソファの背から主人の肩に飛び移って、そこから床に飛び降りて着地するとか、そういう猫っぽい動きにいちいち驚いて、感動していました。

――わさびちゃんのお世話で、一番大変だったことは何かありますか?

食べ物にあまり関心のなかったわさびに食事をさせることが、なんといっても大変でした。健康になってもらうには、まずは体重を増やさなきゃ、それには食べてもらわなきゃ、と思い、試行錯誤しました。

――お姉さんである犬のぽんずちゃん、どんなワンコですか?

わさびが来る前はひどく甘えん坊な子でした。私たちがとても大事に育てて、甘やかしていたせいかもしれません。とはいえ、我がままというわけではなくて、言うことも素直に聞くいい子ではあるのですが。

とにかく末っ子気質の甘えん坊だったので、わさびの面倒をよく見てくれたのにはむしろ驚きました。そういう優しい性格なのだと思います。あとは、びびり(臆病)で、鈍くさいところのある愛すべきわんこです。

――初めてわさびちゃんに対面したぽんずちゃんのリアクションはどのようなものでしたか?

テンションが上がってはしゃぎ回って大暴れするかと心配でしたが、実際はただじーと黙って見つめていました。とても興味はあるようで、わさびが入っている箱の中をのぞきまくっていましたが、おとなしく見守っている感じでした。

一味ちゃんがやってきた

現在、ご夫婦のお家には新しく猫がやってきたそうです。名前は、「一味」ちゃん。

子猫の一味ちゃんは、保健所行き寸前のところで、わさびちゃんファミリーに保護されました。最後まで必死に生きようと頑張ったわさびちゃんの分まで元気に育ってほしいと願うという母さんや父さん、わさびちゃんと仲良しだったゴールデンレトリバーのぽんずちゃんたちの愛情に育まれ、すくすくと成長しているそうです。

――新しく、一味ちゃんという子猫が家族になったそうですが、その経緯を教えてください

わさびが亡くなってしばらくした頃、ご近所さんから、近くのお宅の敷地内で野良が子猫を生んだらしいが、明日にでも保健所に連れていかれるかもしれない、と聞きました。まだ離乳していない子猫は保健所に連れていかれると、即日処分と聞いていたので、それは嫌だと思い、すぐにそちらのお宅に伺いました。

それまでもそちらのお宅の敷地内では野良が何度か子猫を生んでいて、その都度、知人などに里親になってもらっていたそうですが、そう度々生まれてはもらい手もなくなり、今回ばかりは保健所に……と考えていたそうです。

それで、生まれてきた5匹の子猫たちの里親は私が探すと約束し、保健所に連れて行くのを思いとどまってもらいました。

その5匹のうちの1匹をうちで受け入れ、一味と名付けました。他の4匹にもそれぞれ里親さんを探し、母猫も避妊手術を受けさせました。そしてその母猫も、出産したお宅の方が里親さんになってくれました。

――一味ちゃんのプロフィールを教えてください(年齢、性別、体重、好きなもの、趣味などなど)

平成25年9月20日生まれ(約生後9カ月)。性別は、女の子です。体重は2.6キロ(平成26年6月8日現在)。

好きなもの(こと)は、ぽんちゃんを襲撃すること。レーザーポインターの光線を追いかけて遊ぶこと(レーザーポインターを取り出すと目の色が変わります)

趣味は、特に変わったことをするというイメージではないですが、強いていえば、遊ぶこと、くらいでしょうか……。

――わさびちゃん、ぽんずちゃん、一味ちゃんにメッセージをお願いします

わさびへ:わさび、本当にありがとう。わさびのおかげで一味とも出会えて、わさびがいなくなった後すごく寂しそうにしていたぽんちゃんも、元気を取り戻したよ。みんなずっと、わさびのことが大好きだよ。

ぽんちゃんへ:子猫のお世話、いつもありがとう。これからもよろしくね!

一味へ:これからもずっと健康でいて、母さんを安心させてね。みんなで仲良く暮らしていこうね。よろしくね!

――これから、もしかしたらケガをした子猫を保護して育てることになるかもしれない人に向かってメッセージをお願いします

まずは、自分にできることをしてほしいと思います。単純なことのようですが、とにかく怪我した子猫を保護したら、自分で判断せず、病院に連れて行って下さい。怪我が軽く見えたとしても、見えないところを怪我していたり、思わぬ状況に陥っている可能性もあります。怪我が重そうで、もうダメかも、と思ったとしても、そこで簡単に見限らず、病院へ。希望が持てるかもしれません。

ツイッターを通していろいろな方のお話を伺いましたが、怪我をしていても、何らかの障害があっても、治療の末に健康になり、環境にうまく順応して長生きしている子はたくさんいるようです。だから、簡単に諦めないで、まずはできることを模索してみることが大事かなと思います。

大変なことも多々あるかと思いますが、猫は強い動物です。その生命力を信じてあげてほしいです。そして、保護したからには、里親さんを探すなり自分で飼うなりして、最後まで責任を持ってほしいです。

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