今さら何を、と言われるのは承知の上で、iPad mini Retinaディスプレイモデルのレビューである。半年前に自腹で購入し、ごく普通に使ってきたものだ。デバイスそのもののスペックに関しては今さら何を語るべくもないが、実際のところ使ってみてどうなのか。デバイスでなく、自分の仕事と生活が。すでに一時の物欲で手にするものではなくなっている今、この先の半年、一年と使うイメージを描く材料として参考になれば幸いだ。

満を持しての第二世代iPad mini

iPad mini Retinaディスプレイモデルが発表されたのは、昨年10月のAppleスペシャルイベントにて。日本国内では11月から販売が始まった。初代iPad miniは直前にiPhone 5が出ていたこともあって、個人的に魅力は感じていたものの購入には至らなかった。

世間的にも当初は「コンセプトは良いがスペックが期待以下」という評価が聞かれた記憶があるが、時間が経つにつれてmini愛用者のレコメンドを耳にするようになっていった。これは見た目以上に「使ってみると良い」タイプのものかもしれない。そんな気がして、翌年、期待されたスペックを実現したRetinaディスプレイモデルが登場したときに購入を決めた。

筆者はもともとiPad 2を使っていたのだが、単体のスペックに不満はないものの、ファイルの扱いなどにおいてPCの作業をカバーしきれない部分がどうしてもあり、かといって併用するために持ち歩くには重すぎる。ということで、徐々に持ち歩く機会が減り、自宅のデスク据え置きになっていた。

iPad 2+スマートカバーで745g

iPad mini Retinaディスプレイモデル+スマートカバーで401g。体感で半分程度という印象

これがminiになると、MacBook Airと合わせても1.5kg以下。軽いとは言わないが、持ち歩くのに無理をしている感じはない。さらに、iPadだけでも仕事の大部分をこなせるよう、端末だけでなくその他の環境も進化していた。