香川県を代表するご当地グルメは言わずもがなの「讃岐うどん」。しかし今、香川県の丸亀市を中心に昔から親しまれている「骨付鳥」なるご当地メニューが一気に大ブレイク中だとか。

「骨付鳥」とは!? 写真は店舗「真寿美」での一品

ちなみに、香川県丸亀市による骨付鳥公式サイトによると、現在、このメニューを提供している店は、市内に約20店舗ほど存在する。また、聞くところによるとその調理法は、いわゆるクリスマスとかで食べるような「鳥モモ」を塩コショウやニンニクで味付けしてこんがりと焼き上げているということだ。一体どんなグルメなのか!?

皮はパリパリ、中はうまみエキスがじゅわっ!

骨付鳥の一番の有名店は「一鶴」。いわばこの店が骨付鳥の元祖である。地元では超有名店で、今では東京や大阪にも店舗を構える骨付鳥界のガリバー店だ。いくら元祖の店でもガリバー店を紹介しても面白くない。ここは地元で愛されている小規模店しかも個性的な店を攻めてみよう。

最初に訪れたのが、先代(お母さん)の代から数えると創業40年の老舗という「焼肉レスト ふじむら」。「うちの味は先代からそのままです」と代表の徳永佳代さんが説明するその味とは、塩、コショウ、ニンニクだけを使った極めてシンプルなもの。食べてみると皮がパリっとしていて香ばしい。

「焼肉レスト ふじむら」の「骨付鳥」は750円

表面は鶏油(チーユ)を塗ってこんがり焼いてますからね」。実際、大口を開けてかぶりつくと鳥本来のうまみが口の中にじゅわっと広がる。これはうまい、何もしなくてもうまい! シンプルな味付けが鶏肉本来の味わいをストレートに引き立てている。

「骨付き肉は骨からエキスが出るから、余分に味付けしなくてもおいしいんですよ」。なるほど、これが丸亀のチキンパワーか。ビールとの相性も抜群だ。「もともと、骨付鳥は味がしっかりとしているから昔からビールのつまみの定番なんですよ」。肝心の値段は750円である。

「親方様、若君様」をオリーブオイルで

次に「ここもうまい」という話を聞きつけて足を運んだのは「居酒屋 うさぎ」。店に入るといつもワイワイしており、「お客さん同士も仲良くなれる」という評判にもうなずける。ココの骨付鳥の特徴は、肉を事前にオリーブオイルに漬け込みハーブを下味に付けていること。

「3時間以上漬け込んでいて、注文が通ったらオイルから出して焼きます」と言うのは店主の浜田哲治(てつじ)さん。ほほう! オリーブオイル! それはまた、今までのお店とは異なる洋風な味が期待できそうだ。ちなみに、骨付鳥には通常、肉が柔らかい「わかどり」と身が締まった「おやどり」の2種類ある。

さっきの「ふじむら」では親鳥を食べた。じゃあ今度は若鳥にしてみよう! と注文したら、「うちでは、親方様、若君様って言うんだよ!」と浜田さん。恐れ入りました。ちなみにどちらも1,000円だ。

登場した「若君様」にがぶりと頬張ると、オイルに漬け込んでいるため柔らかな口当たりが印象的。また、ハーブの芳香が口いっぱいに広がるのも魅力だ。

「居酒屋 うさぎ」の「骨付鳥」は1,000円

第3の味は柚子コショウ

2軒回っておなかも相当膨らんだけど、さらにもう1軒いってみたい。そこで突撃したのは「味感 真寿美」だ。なぜココに来たか、それは「骨付鳥の味付けが3種類ある」と聞きつけたからだ。

店に入りメニューを見ると、味付けは「ノーマル」「黒コショウ」「柚子コショウ」の3つとのこと。若鳥、親鳥とも1本670円 と比較的リーズナブル。「ノーマルと黒コショウは、スタンダードな塩とコショウ、ガーリックの組み合わせ。でも柚子コショウには、柚子の風味を活かしたいからガーリックは使ってないよ」と教えてくれたのはおかみさんの山本寿子さん。

食べると確かに柚子の風味が香り立ち、今までにない味わいだ。「たぶん柚子コショウは、うちだけだの味だと思うね」とのこと。

「味感 真寿美」の「骨付鳥」は670円

●information
味感 真寿美
丸亀市今津町566-5

今や香川県の県民食といってもいい「骨付鳥」。出張や旅行などでチャンスがあれば、ぜひ挑戦してみてほしい。

※記事中の情報・価格は2014年4月取材時のもの。価格は全て税込