もちろん、これより小さい4インチディスプレイのiPhoneを使うユーザーも見かける。今回の旅程では「iPhone 5s」を使うユーザーには遭遇しなかったが、「iPhone 5c」ユーザーは深セン地下鉄で何度か見かけた(しかも全員女性)。

ニーズの変化が激しい中国など新興国市場をキャッチアップするにはAppleにも変革が必要? 中国市場では地元メーカーやSamsung人気が高く、日米ほどのiPhoneの強さはない

カラーは赤で、旅に同行していただいた携帯研究家の山根康宏氏の分析によれば「中国で好まれるタイプの色で、おそらく色を基準に端末を選んでいる」ということで、ファッションアイテム的な使われ方をしているのかもしれない。

付記しておくと、現地のキャリアショップでiPhone 5sの展示を何度か見かけたが、ゴールドモデルのみ展示から除外されているのを見かけた。これは予想だが、中国ではゴールドモデルの人気が特に高く、盗難防止等の理由があるのだと考える。

従来まで、ディスプレイの小さな端末は製造コストの安さもあり「廉価版」ということが多く、「端末購入にお金をかけたくない」「予算があまりない」といった層に先進国・新興国問わずに人気があった。

日本では主要3キャリアからリリースされなかった「Xperia mini」などの端末は、この層にマッチしていたといえる。だが製品スペックが全体に向上し、比較的安価な端末でさえ大画面ディスプレイ搭載が可能なってきた現在、新興国での所得水準向上と合わせ、大画面端末の人気向上と需要増加が進んでいる。この傾向は特に中国で顕著にみられ、こうした需要のキャッチアップAppleのようなメーカーでも何らかの考慮が必要になるだろう。