5月31日、東京都・原宿にアメリカ生まれのポップコーンショップ「Doc Popcorn」がオープンする。既に店を構える「garret popcorn shops」「KuKuRuZa Popcorn」を含めると、3店の本格ポップコーンショップが立ち並ぶこととなる原宿・表参道エリア。「Doc Popcorn」は他の店とどう違うのか? 一足先にその味を体験し、あえて"激戦区"に出店した理由を聞いてみた。

Doc Popcorn

業界最大級のサイズ展開!

「Doc Popcorn」は2003年にアメリカ・コロラド州で創業したポップコーン・ブランドで、今回オープンする原宿店がアジア初出店となる。ラフォーレ原宿にほど近い路地にたたずむ店舗は、ブランドカラーでもあるイエローとイエローグリーンをメインとした明るい外観が目を引く。オープン前にもかかわらず、多くの人が店の前で足を止めていた。

中に入ると、まず目に入るのは巨大なポップコーンのオブジェ。店内は外観と同じくイエローとイエローグリーンを基調とした明るいカラーリングでまとまっており、キッチンから漂ってくるポップコーンの香りにやられてしまう。

オブジェは向かって左側に

カウンターの様子

同店で味わえるフレーバーは全部で9種類。「ソルト&ペッパー」だけは6月下旬からの発売だが、それ以外の8種類は開店時から購入できる。

中でも同店オススメのフレーバーは「デンバーミックス」だ。ていねいにキャラメルを絡めた「キャラメルブリス」と、ホワイトチェダーチーズなどでさっぱりと仕上げた「トリプルホワイトチェダー」をミックスしたもので、オススメの食べ方は「キャラメル1:ホワイトチェダー2」の比率で口に放り込むというもの。この比率で食べることで、甘みと塩みが絶妙な加減になるという。

また、このフレーバーには隠された意味もある。「デンバーミックス」の名前の由来となったコロラド州の都市・デンバーは、ロッキー山脈の麓にある街。「キャラメルグリス」はロッキー山脈の岩肌を、「トリプルホワイトチェダー」はロッキー山脈に降り積もる雪をそれぞれ表しているという。

デンバーミックス(ロッキー山脈に見える?)

ほかにも、濃厚な「チージーチェダー」やバターの香る「ベターバター」、リンゴの香りと甘みが女性に人気の「アップルクリスプ」、砂糖と塩をブレンドしたアメリカでは大定番の「クラシックケトル」に、「クラシックケトル」にバターを加えた「スイートバター」など、個性的なフレーバーを提供する。

また、Regular(500円~800円)、Big(600円~980円)、Jumbo(1,200円~1,900円)、Tiny Tin(2,600円~2,900円)、Big Tin(6,600円~7,200円)と、サイズも豊富にとりそろえる。Tiny Tin(1ガロン)、Big Tin(3.5ガロン)はオリジナルの缶での提供。また、Big Tinは好きなフレーバーを3つ選んでミックスできるサイズで、全てを同じフレーバーにすることもできる。なお、3.5ガロンでの提供は業界最大級となる。

フレーバー・メニュー表

Regularサイズは手ごろな大きさ

"博士"のポップコーン

同店の高橋 洸人店長は、「ポップコーンの常識を覆したい」と語った。

「『こんなポップコーンもあるんだ!』とお客さまに思ってもらいたいです。単なるスナックではなく、おいしく、ヘルシーで、自然な味の『こだわりの料理』としてのポップコーンを知ってほしいですね」。

高橋 洸人さん

高橋さんの言うように、「Doc Popcorn」の最大の特徴は、ポップコーンづくりへの飽くなき"こだわり"にあると言っていいだろう。油はトランス脂肪酸ゼロのコーンオイルを使用し、人工着色量や甘味料を一切使わないので、小さな子どもにも安心して食べさせることができる。

また、バターフレーバーのポップコーンには独自にブレンドしたオリジナル調味料を使っており、バターの使用量を抑えることに成功。胃にもたれず、手もべたつきにくいので"ながら食べ"にもピッタリだ。

製造の様子

細かなこだわりは味にも宿っている。"テイストメモリー"と呼ばれる、口の中に味が残る長さを「Doc Popcorn」の商品ではあえて短くなるようにした。インパクトのある味や風味はそのままに、後を引かないあっさりとした仕上がりとなっているので、一口目のおいしさをいつまでも楽しむことができる。

「Doc Popcornの"Doc"は"Doctor(博士)"からとっています。研究に研究を重ね、こだわりにこだわり抜いたポップコーンを、できたてでお届けします」と高橋さんが語るように、そのこだわりはまさに"博士"のようにひたむきなものだった。

3店は良きライバル

そんな「Doc Popcorn」は、なぜアジア初の上陸場所として東京・原宿を選んだのか? 冒頭でも触れたように、原宿・表参道エリアは先発のポップコーンショップが毎日のように行列を生んでいる、いわば"激戦区"である。

高橋さんは、競合のショップについて「競争相手ではあるけれど、敵ではないと思っています」と語った。「日本では映画館やテーマパークくらいでしか食べないポップコーンは、アメリカでは人々の日常のすぐ近くにある。日本でもそのような存在にするために、3店で競いながら業界全体を盛り上げていきたいです」。

"競争相手"の1つである「garret popcorn shops」は、2013年2月に日本上陸を果たしたシカゴ生まれのポップコーンショップ。同エリアの中では"最先発"の店舗となる。濃厚な「キャラメルクリスプ」と「チーズコーン」をミックスした「シカゴミックス」が人気の1品だ。約60gのSmall(390円)、約140gのMedium(620円)、約240gのLarge(930円)などのサイズで提供している。

シカゴミックス

原宿の「garret popcorn shops」から見て「Doc Popcorn」をはさんだ向こう側、表参道ヒルズにある「KuKuRuZa Popcorn」は2013年9月に開店した"第2の店"である。常時10種類を提供し、毎月ラインナップが変わる36種類のフレーバーが特徴で、洗練されたデザインのパッケージも人気を呼んでいる。S(360円~440円) 、M(570円~770円) 、L(830円~1,080円)の3サイズで販売するほか、複数の種類が入るガロン缶(1ガロン/2ガロン)や、ギフトBOXも販売している。

豊富なフレーバーが特徴

「Doc Popcorn」の開店により、ますます熱を帯びてきそうな原宿・表参道エリアのポップコーンブーム。三者三様の個性的なショップを巡って、自分好みの味を探してみるのもおもしろいかもしれない。

※価格は全て税込。高橋 洸人さんの「高」ははしご高