6月2~6日(米国時間)にかけて、米カリフォルニア州サンフランシスコでAppleの開発者会議「WWDC 2014」が開催される。初日の2日午前10時(日本時間で3日午前2時)からスタートする基調講演では、Mavericks後継となる次期Mac向けOSの「OS X 10.10」のほか、iPhone/iPad向けOSのメジャーバージョンアップとなる「iOS 8」が正式発表されるとみられる。本稿では、特に「iOS 8」にフォーカスを当て、これまでに出ている情報や噂をまとめる形で俯瞰してみる。

WWDC 2014が6月2日からスタートする

WWDCとは?

よく勘違いされているが、WWDCは開発者のためのカンファレンスであり、本来はハードウェア新製品発表の場ではない。過去にはMacBook新製品やiPhone新製品が発表されていたこともあるが、あくまで"オマケ"的な要素だと考えていたほうがいい。基本的にはOSなどソフトウェア新製品を開発者向けにプレビューし、正式発売までの間にアプリケーションや周辺機器の対応を促すための情報交換の場として機能している。

もともとはOS Xの話題がその中心だったが、従来まで3月前後に報道関係者向けのプレビューが行われていた「iPhone OS (iOS)」の発表が、2011年のiOS 5のタイミングでWWDCのある6月へとずれ込んだことで、以後は「Mac OS X+iOS」の両プラットフォームをターゲットとした開発者カンファレンスへと変化している。

時代の潮流からかWWDCもモバイル勢力に飲み込まれかけた印象があるが、Appleではあくまでも「本来はMac開発者のイベント」というスタンスであり、ソフトウェア技術全般の発表と情報交換の場として現在も機能している。