ストレージやサーバなどの機器販売から、システム構築までをワンストップで提供している国際産業技術株式会社(以下KSG)ブースでは、高いコストパフォーマンスと省スペースを「売り」にしたストレージ・セットをはじめ、企業内で増え続けるデータの保存と、その安定・安全に貢献するツールを紹介し、注目を集めていた。

データセンターでも利用されるEonNAS - 魅力は高い集約力

国際産業技術株式会社 ESサポート部 課長 コンサルタントSE 渡邊 太一氏

KSGが販売を手がけるミドルレンジのデュアルコントローラー・ストレージEonNASシリーズ(Infortrend社製)の特長のひとつは、そのパフォーマンスだ。他社ブランドのユニファイド・ストレージが対応するファイルレベル・プロトコルが2~3種なのに対し、EonNAS 3016RTは、NFS、CIFSをはじめ、iSCSI、AFP、FTPなど、13種に標準対応している。

つまりデータ量の増加や新システムの導入に伴って、場当たり的に機器の継ぎ足しを繰り返してきたネットワークであっても、導入や設定にかかる手間と時間、コストを抑えながら、ストレージを増設することができるというわけだ。

ブースでは、3U / 16本のHDDを収納できるこのEonNAS 3016RTをストレージのヘッド(コントローラ部分)に使い、その下に同社が提供するJB2060R(HDD60本収納)を4台組み合わせて1,024TB(約1PB)を確保した、ユニファイド・ストレージ・セットも展示されていた。同社ESサポート部 課長 コンサルタントSEの渡邊太一氏は、「JB2060Rは、ドライブを縦に並べる独自レイアウトを採用しているので、一般的なラック(38U)の半分で1PBを収められます。通常のレイアウトなら、この8倍のサイズになってしまうでしょう」と説明してくれた。増え続けるストレージの「置き場所」にも配慮したこのセットは、毎月数TBの勢いでデータが増えてゆく金融関連企業や、データセンターなどでも利用されているという。

JB2060Rのトレイをオープンしたところ

ストレージをセットしているところ

エラーや災害からデータを守る機能も標準装備

EonNASシリーズは、データの安定性・安全性にも高いパフォーマンスを発揮する。例えばEonNAS Pro に搭載されているZFSファイルシステムもその担い手の一つだ。すでに大型サーバでは利用が進んでいるが、小規模NASではEonNAS Pro が初めてとのこと。ZFSファイルシステムでは、ファイルの更新中にアクシデントが発生した場合、更新前の状態に戻る仕組みになっているため、時間のかかる大型データの処理も安心して行えるだけでなく、チェックサム機能でファイルのエラーを検出すると、複製データを使って正しいデータに修復もしてくれる。また重複排除機能もあるので、同じデータをいくつも抱え込み、ディスク容量を圧迫することもなくなる。

また他社ブランドではオプションとなっている「プールミラー」(2台のNAS間での同期機能)や、「リモートレプリケーション」(遠隔地のストレージに、自動でコピーやバックアップを行う機能)も標準搭載されており、EonNAS Proを導入することで、ディザスタリカバリーやBCPも同時に実現できるという。「ここまで多機能なのに低価格、というのが、最大の特長でしょう」(渡邊氏)

ストレージ、ネットワークをフル活用するツール群

KSGブースでは他にも、ストレージ活用や、ファイル共有に役立つ機器が多数、紹介されていたが、ここでは2つをピックアップしてご紹介しよう。

まずはQLogic社製10Gbイーサネット・アダプター。10GBase-Tアダプターの登場で、10Gbイーサネットの需要が徐々に伸びてきていることを受けてリリースされた製品だが、このアダプターは単に10Gbという伝送速度に対応しているだけではない。これを実装した物理サーバ内に、例えば5つの仮想サーバがたてられていた場合、10Gb x 2を 5Gb、2Gb、1Gb×3のように帯域を分割して、各サーバに最適な帯域を割り当てることもできる(NIC分割機能)。

ネットワークのパフォーマンスを最大限に引き出すことが可能だ。「また10GBase-Tは下位互換性があり、1GbEスイッチにも接続ができますから、仮に10GbEとして利用しない場合でも、投資を無駄にすることもありません」(渡邊氏)

QLogic社製 16Gbファイバチャネルアダプター QLE2672-CK

10GbEアダプター QLE3242-RJ-CK

そしてDrobo社のTransporter Sync。 Transporter Sync のUSBポートにHDDをつなぎ、ネットにアクセスするだけで、P2P型のネットワークが完成する。簡単にプライベートクラウドを構築できるとあって、アメリカでは企業・個人を問わず、利用者が増えているという。

「チームでの共同作業を必要とする研究施設や翻訳家、いくつもの現場を束ねる建築関係の企業などで、利用されているようです」(渡邊氏)

Drobo社製 Drobo 5D

Transporter

Transporter Sync

PCが普及していなかった20年あまり前に比べ、物理的な書類や写真のかさを、驚くほどに圧縮してくれたデジタル・データ。しかしその置き場すら問題になるほど、大量のデータが書き出される時代に突入してきている。

この問題は今後ますます深刻化し、企業にとっても様々な課題を生むことになるだろう。その時のためにも、ネットワークやストレージに精通し、トータル・コーディネートまで手がけられるパートナーを、今のうちに見つけておくことが重要かもしれない。

EonNASの利便性やコストパフォーマンスに興味を持った方は 下記から確認、または相談してみる事をお勧めする。 EonNASサイトはこちら