スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「片手操作」についてです。

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マルチタッチセンサーを備えた液晶画面をタップすることが、スマートフォン流の操作法です。このスタイルはOSの違いを超えて普及しており、なかばスマートフォンであることの条件とみなされています。画面を軽く叩く「タップ」、指を広げたり狭めたりする「ピンチ」、画面に置いた指を右/左へスライドさせる「フリック」は、スマートフォンの操作における基本テクニックとして今後も利用されることでしょう。

しかし、マルチタッチを用いた操作法には、両手を使うという暗黙の了解があります。片手で端末を支えて空いたほうの手で画面をタップするという操作スタイルは、混雑した通勤電車内のように両手を使うことが難しいシチュエーションでは無理があります。文字入力など片手でも処理できることはあるものの、片手利用を念頭に置いた操作体系ではありません。

端末メーカーや携帯キャリアはそのような問題を意識しており、以前からさまざまな技術開発を進めていました。たとえば、NTTドコモは見本市のCEATEC 2012で、研究段階にあった「Grip UI」という技術を展示していました。側面を軽く握ると、内蔵のセンサーがこれを感知して各種操作を行うというものです。片手で操作できる新しいユーザインターフェイスとして、当時かなりの話題を呼びました。

Grip UIとの関連性は不明なものの、NTTドコモの2014年夏モデルとして発表された「AQUOS ZETA SH-04F」には、本体を握るだけで各種操作を行うことができる技術「グリップマジック」が採用されています。初採用は2013冬-2014春モデルの「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」ですが、後継にあたるSH-04Fでは電話やメールの着信をバイブレーションで知らせるなどの新機能が追加されています。ほかにも、キーボードを画面の左右どちらかに寄せて表示する「ワンハンドアシスト」といった片手操作に便利な機能が用意されています。通勤・通学の時間が長いユーザにとっては、注目の機能といえるでしょう。

片手操作に便利なグリップマジックを採用した「AQUOS ZETA SH-04F」

(記事提供: AndroWire編集部)