人間役をすべてマネキンが演じるという一風変わった演出で人気を呼んだ「オー!マイキー」というドラマをご存知でしょうか。あれはあれでなかなか衝撃的な演出でしたが、そんなオー!マイキーもびっくりのナンセンス・コメディドラマに出会いました。

その名は『ラブトピア』。

タイトルだけだとなんだかちょっとロマンチックな感じですが、DVDの再生ボタンを押した瞬間、それが大きな間違いだったことに気づかされます。

『ラブトピア』(発売中 上下各巻3,024円 販売元:ポニーキャニオン)

このドラマ、メインキャストがすべてラブドールなのです。

……全年代の人に向けてわかりやすくいうと、ラブドールはつまり、ダッチワイフです。ようするに、ざっくり言うとオー!マイキーのダッチワイフ版です。

もうすでにこの時点でだいぶ頭のネジの外れた企画だなということがわかりますし、DVDが発売されたこと以前に、これが2013年から2014年にかけてテレビで放送されていたという事実に驚きを禁じ得ないわけですが、逆になぜDVD化されるほどの人気を得たのかが気になるので、さっそく見てみることにしました。

本作の舞台となるのは、ラブドールだけの街「ラブトピア」。そこでは人間のカレが自分のもとを離れている間、様々な個性をもったラブドールたちが自由を謳歌しています。ラブドールの憩いの場であるカフェ・ド・ラブを経営する主人公ののぞみ、特定のカレを持たない遊び人のゆり、本妻のいるカレにのめりこんでしまった千明、ラジオ番組のカリスマパーソナリティのリナ、アイラブドール(ラブドールのアイドル)になるかどうか悩むあつ子……「ラブトピア」は、そんな彼女たちの日常を描いた10分間のミニドラマなのです。