携帯3社の2014年3月期の決算が出そろった。好調のソフトバンク、KDDIに対し、低調のNTTドコモという結果になったが、今期は各社どのように取り組んでいくのか。昨年度の決算内容、各社が目指す取り組みをまとめた。

左から、ドコモの加藤薫社長、KDDIの田中孝司社長、ソフトバンクの孫正義社長

3社の営業収益は、ドコモが4兆4,612億300万円(対前年同期比0.2%減)、KDDIが4兆3,336億2,800万円(同18.3%増)、ソフトバンクが6兆6,666億5,100万円(同108.2%増)。営業利益はドコモが8,191億9,900万円(同2.1%減)、KDDIが6,632億4,500万円(同29.4%増)、ソフトバンクが1兆853億6,200万円(同35.8%増)で、ドコモのみ減収減益、2社は2ケタの増収増益という結果だった。

ドコモの決算

KDDIの決算

ソフトバンクの決算

売上が倍増したソフトバンクは、米Sprintの買収が大きな要因。イー・アクセス、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、ウィルコム、Supercell、Brightstarといった国内外の企業を子会社化したことも貢献した。携帯事業で4年連続の純増数1位を確保するなど通信料収入も増加しており、営業利益は初めて1兆円を突破。NTT、トヨタ自動車に続く1兆円超え企業として、創業以来33年での達成は国内市場で最速だとアピールする。

売上にはSprintが大きく貢献しているが、それを除いても過去最高

KDDIは、ジュピターテレコム(J:COM)の子会社化にともなう売上増に加え、携帯事業でスマホ浸透率が49%に拡大して通信料収入が増加した。ドコモは、激しいMNP競争で純増数が伸び悩み、月々サポートやキャッシュバックといった費用がかさみ、収益が悪化した。10月以降、iPhoneの導入で純増、MNP転入の数字も改善してきているが、通期での不調を取り戻すことはできなかった。