声優アーティストとして大きな存在感を示しつつある喜多村英梨が、現在"仄 姉妹"役として出演中のTVアニメ『シドニアの騎士』のエンディング主題歌となる「掌 -show-」を2014年5月14日にリリースした。

喜多村英梨の7thシングル「掌 -show-」(初回限定盤)のジャケットイメージ

喜多村にとって7枚目のシングルとなる本作は、喜多村が突き詰めてきたメタルサウンドの世界がより色濃く反映された話題作で、表題曲、カップリング曲ともに河合英嗣氏が作曲を担当。作詞をいずれも喜多村自身が手掛けており(表題曲は河合氏との共作)、よりキタエリサウンドの世界が広がった作品となっている。そこで今回は発売直前に喜多村本人が語った本作の魅力を紹介しよう。

喜多村英梨が語る7thシングル「掌 -show-」

――5月14日にリリースされる7thシングルでは主題曲、カップリング曲ともに喜多村さんが作詞で参加なさってますね

喜多村英梨

喜多村英梨「『作詞しても良いよ』って言っていただいたので、甘えました(笑)」

――作詞はドンドンしていきたいほうですか?

喜多村「自分のやりたいことがあったり、言いたいことが言えそうな楽曲に出会えたときは、作詞をしたいと思うんですけど、全部やりたいかというと、それほどの技術があるとも思っていないし、自信もないです。しかるべきタイミングと楽曲があれば、チャンスがほしいと思うぐらいで、どちらかといえば、プロの方にやっていただいたほうが良いと思っている派です」

――あくまでも楽曲次第ということですね

喜多村「自分のやってみたいことができそうであれば、人にレールを敷かれるよりは、自分で敷いていきたいです。ただあくまでもタイミングですね。今回の『掌 -show-』も、特に私が作詞をするというプロジェクトで始まったわけではなく、デモに対して、自分が役者として『シドニアの騎士』の世界観における真実を知っていますという意味でのブラッシュアップを提示したのが最初です。それは決してNGを出したということではなく、あくまでも現場ではこの言葉を重要視していますよとか、こうしたほうが作品の世界観にもっと近づきますよといった感じでの提示をしただけで、私が歌詞を書くなんて思ってもおらず、ボーカルとして、プロジェクトの一員として、現場を知っている人間の言葉もあったほうが良くなるだろう……そのくらいの意識でした。そうしたら逆に、現場の方の言葉のほうが説得力もあるので、ぜひ一緒にやりましょうというお言葉をいただきまして。まさかの人生初タイアップ作詞参加というカタチになりました。本当にタナボタです(笑)」

――カップリングは最初からご自身で詞を書く予定だったのでしょうか?

喜多村「カップリングは、自分の好きなことをやれる場所でもあるのですが、タイアップ曲のカップリングとなると、やはり作品をインスパイアできる仕組みを盛り込みたいという意識がありまして、『シドニアの騎士』の場合、自分は作品内でクローンの役をやらせていただいているのですが、これが同じキャラデザなんだけど、個体差のあるのが何人も出てくる役で(笑)。その意味で、ただボーカルもやって、自分でコーラスもやって、というだけではなく、たくさんの声素材を重ねていけたら面白いなと思ったんですよ。そうなったときに、その声素材のもとになる作詞は誰かほかの人に頼むよりも、自分の中から出てきた言葉を、ちがうニュアンスで聴かせたいなと。それで、『もし可能であれば、カップリングも作詞させていただいてよろしいでしょうか……』と頼んだところ、二つ返事でOKをもらいまして、カップリングも作詞させていただくことになりました」

――こちらは自分のやりたいことがあったパターンですね

喜多村「やはりタイミング次第ということですね。この人に作ってほしい世界観がありますとか、歌詞はこういう系の人に書いてもらいたいですというときももちろんあります。自分のエゴはいっぱいありますけど、ここはその都度、フットワーク軽くやっていきたいなと思ってます。もちろん可能な限りですけど(笑)」