育児休業給付金の仕組みについて、ファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太さんに解説していただいた前回。今回は、実際にいくらくらいもらえるのか、またいつ支給されるのかといった点を解説していただく。

育休開始後、すぐにもらえるわけではない!

育休をフルにとって、子供の成長を見守りたいというパパ・ママは多いが、その間の生活が不安……という声も

まず、育児休業給付金の額ですが、休業前賃金6カ月平均から平均月給を算出し、その50%しくは67%が支給されることになります。ざっくりいえば、月給のおよそ50%もしくは67%を育休月数分もらえることになります。なお、67%いう数字は、平成26年4月1日以降に育児休業する方から増額されたものであり、休業してから最初の180日分が該当します(その後は50%)。

ただし、育児休業中に給料が支払われる場合は、給料と給付金の合計額が休業前の給料の8割を超えないように調整されることになります。なお、育児休業給付金を算出する際の基礎となる休業前賃金月額には上限があり、現在42万6,900円となっていますから、最大でもこの67%もしくは50%しか受け取ることはできません。

育児休業給付金は、2カ月ごとに支給されます。女性の場合、出産日後8週間は産後休業に該当しますので、その後から育児休業開始となり、その2カ月経過後以降に申請を行い、初回の給付金を受け取ることができる仕組みとなっています。つまり、出産後から見ればおよそ4カ月経過後、育児休業開始から見ると2カ月経過後にしか育児休業給付金は出ないことになります。

実際には育児休業給付金の支給申請手続きは事業主が行うことが一般的であり、その申請手続きをいつ行ってくれるかによっても給付金受取日は異なってくるため、育児休業開始から2~3カ月後でないと支給されないと見ておくべきでしょう。

なお、いつまでもらえるかといえば、ママやパパが職場復帰する、もしくは子供が満1歳の誕生日を迎える日の前々日までが支給対象となります。ただし、子供が1歳到達時点で以下のいずれかに該当する場合には、最大1歳6カ月まで育児休業を取得することが可能となっています。

・1歳の誕生日において、保育所における保育を希望しているのに入所できない場合

・1歳以後に子を養育予定していた配偶者が死亡した場合、負傷・疾病等により養育困難となった場合など

その他、育児休業をパパ・ママ2人でとった場合には、パパ・ママ育休プラスという制度により、最長で子供が1歳2カ月になるまで育児休業を取ることができる仕組みもあります。働き方と育児という観点から、ご自身に合った育児休業を取得されることを前もって検討されておくとよいのではないでしょうか。

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