クレジットカードの登録数は8億件に

Apple IDはアプリや音楽の購入、Appleの様々なサービスを受けるために必須のもの

世界のスマートフォン市場を見れば、Androidが圧倒的だ。しかしiPhoneは先進国市場でトップブランドとなっており、新興国でも新規ユーザーの獲得が進んでいる。こうしたユーザー数を背景とした、iTunes Store/App Store/iBookstoreというコンテンツやアプリのストアの成長は、ライバルにとっての大きなアドバンテージとなっている。

AppleのTim Cook CEOは、iTunes Store等で利用できるApple IDについて、クレジットカードの登録数が8億件近くに上っていることを指摘した。この数字は、類を見ないほど多く、また8億人の人にAppleを介して課金できることを意味している。収益性の高いアプリストアであるというアピールは、開発者に対して非常に魅力的なだけでなく、Appleもこうした開発者の売り上げの30%が手数料として手に入れることができる。

Appleはゲームの開発企業などと、アプリの独占提供に関する交渉を行っているという。これはAppleだけでなくGoogleも同様だが、App Storeで独占的にアプリを提供し、プラットホームの魅力を高める施策だ。今後App Storeなどのコンテンツや利便性での競争へと移っていく際、このオンラインストアのビジネスは非常に重要なポジションになる。

AndroidデバイスとOSは、現在非常に充実している。iPhoneと比較して動作のスムーズさが足りないなどの指摘があったが、現在のバージョンに触れてみると、ミドルレンジのスマートフォンですら、非常に快適に利用できる。

同時に、Facebook、Twitter、Instagramといったソーシャルメディア、Google AppはもちろんのことEvernoteなどの仕事効率化アプリ、ゲームなどは、iPhoneとAndroid双方にアプリが用意されており、一部のスタートアップが提供するアプリを除けば、どちらのプラットホームでも変わらないのが現状だ。

Appleというブランドやデザインでの差別化ができている現状から、いかにしてApp Storeなどでの差別化を大きくしていくかが重要な戦略となっていくだろう。