説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「SIMフリーのiPhoneってどこが違うの?」という質問に答えます。

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日本で流通するiPhone 5s/5cは、携帯電話会社を通じて販売されるもの(以下キャリア版iPhone)とAppleから直接販売されるものの大きく2種類があります。キャリア版iPhoneは契約した携帯電話会社以外の回線で通信できませんが、Appleから直接販売される「SIMフリー版iPhone」はどの携帯電話会社の回線もSIMを変えれば利用できます。

キャリア版iPhoneのように特定の携帯電話会社以外と通信できない状態は「SIMロック」と呼ばれます。SIMとは、iPhoneなどの携帯電話/スマートフォンに格納されるICカードの一種で、利用者の識別に必要な情報が記録されています。SIMロックされた端末は特定の携帯電話会社の回線にしばられるため、SIMを交換して利用する携帯電話会社を切り替えることはできません。

一方、SIMフリーの携帯電話/スマートフォンは、大きさや通信規格が合えばどのSIMカードでも利用できます。iPhone 4/4Sであれば「Micro SIM」、iPhone 5/5s/5cであれば「nano SIM」を用意すれば、どの携帯電話会社の回線も利用できます。格安をうたうMVNO(通信インフラを他社から借り受けて回線サービスを提供する事業者)のSIMも使えますから、通信回線に関する自由度は高くなります。

ここまで読むとSIMフリーのほうが割安な印象を受けますが、実際のところケース・バイ・ケースです。ソフトバンク/au/ドコモの各社はiPhone専用料金プランを用意しているうえ、契約期間の縛りが問題なければ大幅な割引を受けることができます。MVNOが提示するプランは安価なものの最高通信速度に上限がある、音声通話が使えないなどの制約もあります。SIMフリー版iPhone 5sの国内発売がキャリア版に2ヶ月遅れたように、発売初日に入手することが難しい現状もあり、その意味で"買い手を選ぶ"iPhoneなのかもしれません。

Apple StoreではSIMフリー版iPhoneを販売しています