出先のカフェや出張先のホテルなどでパソコンを使いたいときに欠かせないのが、モバイルWi-Fiルーターだ。最近ではテザリング機能に対応したスマートフォンも増えてきたが、バッテリーの持ちや通信量制限を考慮すると、出先で頻繁にパソコンを使う人であれば、モバイルWi-Fiルーターは1台持っておきたい。本稿では、高速通信のLTEに対応したモバイルWi-Fiルーターを最も安く運用できるサービスをチェックしていきたい。

プロバイダが提供するモバイルデータ通信サービスとは?

モバイルWi-Fiルーター向けのモバイルデータ通信サービスは、携帯キャリアだけでなくインターネットプロバイダなどからも提供されており、様々なサービスがある。プロバイダが提供するモバイルデータ通信サービスでは、キャリアのLTE・3G網を利用し、自社ブランドでサービスを展開しており、キャリアのモバイルデータ通信サービスよりも比較的低料金で利用できるのが特徴だ。

また、ブロバイダのモバイルデータ通信サービスでは、セキュリティなどの独自サービスを提供していることがあるほか、独自の入会割引キャンペーンやキャッシュバックなどが実施されていることもあるなど、特典が充実しているのもポイント。

モバイルWi-Fiルーターと言うと、ついキャリアが提供しているものだけをイメージしがちだが、利用料金の安さを求めるなら、プロバイダが提供するモバイルWi-Fiルーターを含め、複数サービスを幅広く比較して検討したいところだ。

2年間で最も安く利用できるのは「So-net モバイル LTE」

LTEのモバイルデータ通信サービスを比較するときに参考になるのが、価格比較サイトでおなじみの「価格.com」だろう。同サイトでは、モバイルデータ通信サービスの料金を比較できるだけでなく、同サイト限定のキャンペーンも実施されているため、プロバイダなどのWebサイトからサービスを申し込むよりも、お得にモバイルデータ通信を利用できる可能性がある。また、同サイトのランキングでは、これらキャンペーンを利用したときの実質費用で料金を比較でき、わかりやすくなっている。

それでは、最も安い料金で運用できるモバイルデータ通信サービスをチェックしてみよう。なお、モバイルデータ通信サービスは2年契約のものが多いため、2年間の実質費用を参考にしている。

4月25日時点の価格.comのランキングによると、2年間の実質費用が最安のモバイルWi-Fiルーターは、「So-net モバイル LTE ハイスピードVプラン」の「FS010W」だ。利用料金は端末代も含めて月額4,047円(税込)となっており、現金30,000円のキャッシュバックを受けられるため、2年間の実質費用は月額2,797円(税込)。

So-net モバイル LTEは、ソネットが提供するモバイルデータ通信サービスで、NTTドコモのXi・FOMA網に対応。通信速度は下り最大100Mbps/下り最大37.5Mbpsとなっている。また、モバイルWi-FiルーターのFS010Wは、富士ソフト製で、最大10台のWi-Fi対応機器から同時接続が可能。

なお、同ランキングで2番目に安いモバイルWi-Fiルーターは、「VOYAGE LTE」の「Pocket WiFi LTE GL10P」。こちらの端末の場合、利用料金は月額3,825円(税込)で、現金20,010円のキャッシュバックを受けられるため、2年間の実質費用は月額2,991円(税込)となっている。

VOYAGE LTEは、プロバイダのVOYAGE BBがイー・モバイルのLTE網を利用して提供するモバイルデータ通信サービス。SoftBank 4Gなどでも使われているAXGP網にも対応しており、通信速度はAXGP接続時で下り最大110Mbps/上り最大10Mbps、LTE接続時で下り最大75Mbps/上り最大25Mbps。提供されるモバイルWi-FiルーターのPocket WiFi LTE GL10Pは、Huawei製。最大10台のWi-Fi対応機器から同時接続が可能だ。

1位のSo-net モバイル LTEと、2位のVOYAGE LTEを比較すると、まず2年間の実質費用でSo-net モバイル LTEのほうが月額約200円安くなっている。また、対応している回線がドコモのXi網とイー・モバイルのLTE網という違いがある。VOYAGE LTEはAXGP網にも対応しており、下り最大110Mbpsの通信を利用できるのも特徴だが、3G回線を含めた全国の幅広いエリアでのつながりやすさでは、ドコモのFOMA網に対応したSo-net モバイル LTEのほうが優位と言えそうだ。

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モバイルWi-Fiルーターを購入する際は、キャリアだけでなく、プロバイダが提供するモバイルデータ通信サービスも含めて、幅広い選択肢から自身に最適なサービスを選ぶとよいだろう。キャンペーンなども活用しながら料金が安いサービスを探すのはもちろん、通信速度やエリアも考慮し、お得かつ便利にモバイルデータ通信を利用していただきたい。