筆者は34歳。6つ年下の28歳の女性と結婚したばかりだ。年収は500万円前後で、雑誌の編集者をしている。仕事柄、締切間際になると、土日も出勤しなければいけないので、正直きつい。もっと条件のいい会社に転職したいと思い、ひそかに転職活動している。将来については、子供は2人ほしいし、マイホームもほしい。だが、今の給料でどうやってお金をやりくりしたらこれらを実現できるのか、正直言ってわからない。

そんなときに知ったのが、わずか10分で人生のシミュレーションができるWebサービス「将来設計カルテ」。これを利用すると、80歳まで必要な金額は「2億1329万円」なのに対し、4853万円も足りないことが判明した…。そこで、『将来設計カルテ』を提供するホロスプランニングの「将来設計士」さんに、不足額を補うためにはどうすればいいのか聞いたところ、「本人の収入を上げる」「妻が働く」「支出を見直す」「親の資産を当てにする」などの具体策を教えてくれた。

今回は、『将来設計カルテ』を利用してみた経緯と、設計士さんからいただいたアドバイスの数々を紹介し、将来に不安を持つ皆さんの参考にしていただきたいと思う。


将来産まれる子どもまで考慮、自ら希望する家族構成で診断が可能

『将来設計カルテ』の使い方は簡単。「家族構成」「家計の収支」「住宅・教育」「ライフイベント」という4つの視点で、専用フォ―ムに従って入力するだけでOKだ。

まず、家族構成。自分の年齢と妻の年齢を入力する。妻は妊娠中なので、1年後には第一子が生まれる予定。また、5年後には二人目がほしいと思っている。ここでは、希望の家族構成を入力できるので、とりあえず、2人目の子供の分も入れておく。

次は「家計の収支」。「家計の収支」では、「世帯の収入」と「世帯の支出」、「預貯金・ローン」と「その他の質問」について入力していく。まず、「世帯の収入」では、毎月の手取り収入と手取りのボーナスの額を入力する。私の場合、毎月の手取り月収は30万円、ボーナスは年間約60万円だ。収入がわからない場合は、「参考 収入の目安」をクリックすると、「年齢・男女別の平均賃金」と「学歴と年齢別に平均賃金」が出ているので、大体の目安がわかるようになっていて、大変親切だ。

その次に「世帯の支出」を入力。家賃や住宅ローンを除く毎月の生活費などを入力しなければいけないが、お恥ずかしながら、生活費にいくらかかっているのか把握していなかった。妻に聞いて27万円と入力した。基本的に、家のことは妻に任せっきりだ。仕事をしつつ、空いた時間で転職先も探しているので結構忙しいから、というのは理由にはならないだろう。支出を把握していない人は、ここでも「参考 支出の目安」を参考にすることができる。

「預貯金・ローン」では、現時点の預貯金と住宅ローン以外のローンについて入力する。日々の家計については把握していないが、今いくらの預貯金があるかは把握している。約300万円だ。結婚してまもないので、この預貯金は二人が持ち寄った金額。内訳は妻が200万円、私が100万円。6つも年下の妻の方が貯金額が多かったのはこれまたお恥ずかしい話。社会人となって12年たつが、この間に海外に留学したりしていたこともあり、わずかな金額しか貯金していなかった…。よく妻が結婚してくれたと思う。

「その他の質問」では、退職予定年齢と年金(想定される手取り世帯の手取り金額)を入力する。まだ全然ピンとこないが、退職する予定の年齢は60歳。年金はいくらもらえるのかわからないので、「参考 年金の目安」をクリックしてみたところ、会社員の月額平均年金額は約18万円とあったので、その金額を入力した。

次に、「住宅・教育」に進む。ここでは現時点の住宅の情報を入力する。今は賃貸で、2LDKの広さで家賃は9万円だ。東京でも郊外だからこの値段で住めるのだろう。独身の頃は、同じ地域で6万5000円のところに住んでいたが、結婚を機会に広い所に住み替えた。教育については、子供の望むようにしてあげたいが、大学まですべて公立で進んでほしいというのが本音。自宅から通学できるところという条件もつく。

診断の最後は、今後のライフイベントを時系列で見てみる。まず、今転職先を探しているが、おそらく2年後までにはできているはず。そして5年後には、埼玉県など近隣の県で、2000万円程度のマイホームを購入したいと思っている。また、家を購入してから3年後には車も購入したい。60歳で定年としているが、すぐには年金がもらえないので、年金がもらえるまでは何らかの形で働くことを想定している。

やっと入力が終わり、冒頭で紹介した診断結果が出たのだった…。今までのプランを実現するために、80歳まで必要な金額は「2億1329万円」、月額にして「38.64万円」。この金額に対し4853万円、月にして8.79万円不足しているという結果が出た。足りなすぎる…。

年度別収支グラフや金融資産別残高なども見ることができた。何となく足りないだろうなとは思っていたが、どこかで何とかなるだろうという甘い気持ちが少しはあった。だが、このように具体的な数字を提示されると、足りない分をどう補えばいいのか真剣に考えるようになれるから不思議だ。

目安の金額とはいえ、10分程度、それも無料で確認できるのは助かる。さらに、Webなので、いつでもどこからでも利用できるのはとても便利。また、将来について、夫婦で話し合う機会が持てたことは、今後の人生にとって、とても意義深いものになったような気がする。


今回はさらに、冒頭で述べたように、『将来設計カルテ』を提供するホロスプランニングの「将来設計士」に、筆者からの質問への回答と、今後の人生に対するアドバイスを電話で聞くことができた。

最初に質問したのは、診断結果で出た、「不足額を補うためには、どうすればいいのか?子育てが一段落したら、妻が働きに出た方がいいのか。改善策を教えてほしい」というもの。

設計士さんの回答は以下の通りだった。

『大きく分けると以下の4つです。

1. 本人の収入を上げる→出世する。転職する。独立する。

2. 妻が働く→パートする。内職する。正社員で働く。

3. 支出を見直す→経費節約(生活費、遊行費、教育費、携帯電話、保険料など)

4. 親の資産を当てにする。

家庭によっては子育て期間は母親は働かずに育児に専念してほしいというところもあれば、背に腹は代えられないので保育園に預けて共働きでコツコツと貯めていくというところもあります。その家庭ごとの価値感によって取るべき方法は変わります。

支出の見直しは固定費として長期間張り付くので、内容を理解せず加入している保険であれば見直す余地はあります。』

なるほど。具体的に4つにまとめられると、考えの整理がつく。自分の出世は…。はっきり言って分からないし、子育ての方針もまだ決めるのに時間がある。まずできるのは、支出の見直しだ。早速妻とつき合わせて、削れるところは削れないか、話してみよう。

次に質問したのは、「ライフプランを立てたことで、さらなる興味がわいた。対面で診てもらう場合、どのような方法があるか。東京などで診てもらえるのか?」ということ。

その回答は、以下の通り。

『もちろん。まずwebで面談リクエストをいれていただき、その後日時調整をさせていただきます。東京でも大丈夫です。』

やったー! 電話だけでなくぜひ対面で診てもらいたいと思っていたので、今度ぜひお願いしたい。

最後の質問は、「子どもができることで気になるのは、自分に万が一のことがあった場合。保険などの相談にはのってもらえるのか。保険に加入する場合、どのようなことに気をつければいいのかアドバイスがほしい」というもの。

回答は以下のようなものだった。

『もちろん相談に乗ります。必要保障額はライフプランによって異なります。まずはその金額を可視化したうえで、その必要保証額から公的年金(遺族年金、遺族厚生年金)や企業保障(死亡退職金、弔慰金)、さらには親から引き継ぐ予定資産、奥さまは帰る実家があるかなど、個別の資産や収入を控除したものが、かけるべき保険金額や保証内容になります。その考え方を理解したうえで、掛捨て型がいいのか貯蓄型がいいのかも加味したうえで内容を決めることが必要です』

保険は今やネット保険や保険ショップなどいろいろあるが、どれを選んでいいのか分からなかったので、この回答も大変心強い。

また設計士さんからは、以下のような人生設計全般にわたるアドバイスもいただくことができた。

『2年後までに転職。5年後にマイホームとクルマ購入。人生の大きなイベントをここ数年で実現しようとされているのですね。収入と支出のバランスを拝見しました。転職がキャリアアップの結果として収入が上がるかどうかは今後の夢の実現に大きく関わります。年間100万円の収入アップが上手くできればいいですが、転職はリスクも伴いますので慎重に検討してください。

グラフを見た限りでは資産残高が住宅購入をきっかけに赤字に転落しています。2000万の住宅をキャッシュで購入することはできませんので、手持ちの預金を頭金にローンを組むことをお薦めします。頭金を1割(200万)、残額1800万を35年固定ローンで組めば月当たり約65000円となります。現在の賃貸費が9万ですから余剰資金が25000円できますのでしっかりと貯金をしていきましょう。クルマ購入や教育資金にも活用できますので。また、住宅ローンには団体信用保険の加入が伴いますので、万一時にはローンが完済されます。それに合わせて生命保険の見直しも検討しましょう。

生命保険は内容を理解されずに長期間に渡り保険料を支払っている方が意外に多いのも事実です。無駄な保険を見直すことで余剰資金が捻出できたり、積立の割合を大きくして老後資金に備えることも可能です』

なるほど。やっぱり転職や住宅購入、生命保険がポイントになることが良く分かった。人生はお金だけではないが、やっぱりお金は人生についてまわるもの。『将来設計カルテ』で人生にかかるお金を可視化し、それについて「将来設計士」さんの相談を受けることができたのはすごく貴重な体験だった。

『将来設計カルテ』は無料なので、皆さんもぜひ活用してほしいし、より詳細なプランニングを希望される人は、将来設計士さんに相談することをオススメしたい。