NTTドコモが6月1日より提供する予定の新料金プランでは、国内の音声通話を定額にする「パケホーダイ」に加え、パケット通信のデータ量を家族で分け合える「パケあえる」が導入されるのが大きなポイントだ。そこで本稿では、家族でデータ量を分け合う際、何人であれば、どのプランのデータ量を分け合うのが最もお得なのかについて考えていきたい。

新料金プランでカギを握るのはパケットパックの選択!?

はじめに、ドコモの新料金プランについておさらいしておこう。スマートフォンを利用する場合、基本プランとなる「カケホーダイ」(月額2,700円)とインターネット接続サービスの「spモード」(月額300円)、それにパケット定額サービスを加えた合計金額が、毎月の利用料金となる。

パケット定額サービスについては、月間のデータ量を1人または家族間でシェアできるパケットパックが新たに導入される。1人向けには月間2GBまで使える「データSパック」、5GBまで使える「データMパック」が用意され、スマートフォンやタブレットなど複数端末で利用可能。また、家族向けには、それぞれ月間10・15・20・30GBまで使える各「シェアパック」が提供され、最大10回線で利用することができる。

スマートフォンで音声通話を利用する場合、新料金プランのうち、カケホーダイとspモードは、基本的にはそれ以外に選択肢はないため、どのパケットパックを選択し、いかに分け合うかが、毎月の利用料金を大きく左右する。

たとえば、利用できるデータ量の少ないシェアパックを家族で分け合えば、1人あたりのパケット料金は安くなるが、同時に1人ひとりが利用できる月間データ量は少なくなる。一方、利用できるデータ量が多いシェアパックを同じ人数で分け合うと、1人ひとりが利用できる月間データ量は多くなるが、1人あたりのパケット料金は高くなる。

そのため、パケットパックを選択する際は、何人で利用するかに加え、各人のスマートフォンの利用状況を考慮した上で、データ量と料金のどちらでも納得のいくプランを探す必要があると言える。

家族3人でシェアしたときのデータ量と料金

ここでは、家族3人でシェアパックの各プランを利用した場合の1人あたりの月間データ量とパケット料金を見てみよう。なお、シェアパックを分け合う場合、パケット定額料金は1回線分のみとなるが、シェアオプション料として子回線ごとに月額500円が必要になる。

表1 家族3人でシェアしたときの各プランのデータ量と料金

たとえば、月間10GBのデータ量を利用できる「シェアパック10」を3人で分け合った場合、1人あたりの月間データ量は10GBを3で割って平均3.33GB。1人あたりのパケット料金は、月額9,500円に子回線2回線分のシェアオプション料1,000円を加え、それを3で割って3,500円となる。

家族3人ともそれほどパケット通信を使わないのであれば、1人あたり平均3.33GBの月間データ量で十分と言えるだろう。料金も1人あたり3,500円であり、現行プランの「Xiパケ・ホーダイライト」(月間3GB、月額4,700円)と比較してもリーズナブルだ。

また、月間3.33GBでは少し物足りないという人であれば、月間15GBのデータ量を利用できる「シェアパック15」が有力な選択肢になるだろう。1人あたりの月間データ量は平均5GB、パケット料金は4,500円となり、月間データ量が5GBに増えても、まだ現行プランよりも安くなっている。

「シェアパック20」や「シェアパック30」を3人で利用する場合、1人あたりの月間データ量は増えるものの、料金も高くなってくる。現行プランの「Xiパケ・ホーダイ フラット」(月間7GB、月額5,700円)と比較しても、そこまで魅力的には見えないかもしれない。

家族4人でシェアしたときのデータ量と料金

次に、家族4人でシェアパックの各プランを利用した場合の1人あたりの月間データ量とパケット料金を見ていきたい。

表2 家族4人でシェアしたときの各プランのデータ量と料金

家族4人の場合、月間15GBのデータ量を利用できるシェアパック15を分け合うのが最も有力だと言えそうだ。1人あたりの月間データ量は平均3.75GBとなっているため、それほどパケット通信を使わない人にとっては十分な量を確保でき、なおかつパケット料金は1人あたり月々3,500円とリーズナブルだ。

さらに、もっとデータ量が少なくて良いという家族であれば、シェアパック10を4人で分け合う選択肢もあり、1人あたりの月間データ量は2.5GB、パケット料金は2,750円とさらに安くなる。ただし、データ量の少ないシェアパックを家族でシェアした場合、誰か1人が通信を多く使った月などに、すぐにデータ量が上限に達してしまう可能性も考えられるため、ある程度の余裕を持ってプランを選択するのがよいだろう。

また、シェアパック20を家族4人で分け合うのも有力で、1人あたりの月間データ量は平均5GB、パケット料金は4,375円。現行プランのXiパケ・ホーダイライト(月間3GB、月額4,700円)と比較すると、月間データ量が5GBに増えていながら、パケット料金は安くなっているのが魅力的だ。

家族みんながデータ量を多く使いたい場合は、シェアパック30を4人で分け合う方法もあるが、1人あたりの月間データ量は平均7.5GB、パケット料金は6,000円となり、現行プランのXiパケ・ホーダイフラット(月間7GB、月額5,700円)と比較しても、そこまでリーズナブルさは感じられないかもしれない。

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ドコモの新料金プランの「パケあえる」について、パケット通信のデータ量を家族3人で分け合ったときと、家族4人で分け合ったときのパケット料金のシミュレーションを紹介してきた。結果として、データ量とパケット料金のどちらも満足できそうな組み合わせは、1人あたりの月間データ量が平均3GBから5GB程度になるように分け合うことで実現すると言えそうだ。

なお、新料金プランでは、長期利用者向けの「ずっとドコモ割」や、25歳以下のユーザーを対象にした「U25応援割」という割引サービスも提供され、これらを利用することで、さらに利用料金をお得にすることができる。なお、なお、NTTドコモのホームページでは「カケホーダイ&パケあえるかんたんシミュレーション」を提供しているので、自身の家族の状況に合わせて料金をシミュレーションし、シェアパックの"最適解"を探してみてはいかがだろうか。