iPhoneのホーム画面は、そのひとじしんを映しだす"鏡"です。なにが好きなのか、なにを気にしているのかみてとれますし、そのひとの性格までみえてくることもあります。ここでは、女子のiPhoneのホーム画面から、化粧などの外見や男女の恋愛に関する心理に詳しい心理学者であり、大学教員の平松隆円氏が、持ち主の性格や心理、行動をプロファイリングします。本稿を参考にすれば、ホーム画面さえみることができれば、その女子の口説き方までわかるかも!? 今回はTさん23歳のホーム画面です。

TさんのiPhoneホーム画面全2枚

Tさん

1枚目

2枚目

プロファイリングと解説

さて、今回の女性はホームスクリーンが2枚です。フォルダもいくつかありますが、圧倒的にインストールされているアプリが少ないんです。少ないことが、ある意味この女性の特徴ともいえるのですが、iPhoneのホームスクリーンでプロファイリングをしようというこの企画としては、大変困りました。

しかも、少ないながらもインストールされているアプリですが、これもまた特徴的なものとはいえません。例えば、前回の女性であれば「NAVERまとめ」と「BUYMA」のブックマークから、この女性の行動範囲や趣味がみえてきました。その前の女性であれば、「Vera Wang」と「ゼクシィnet」から結婚間近であることがわかりました。インストールされているアプリで、行動や性格だけではなく、その女性がおかれている状況もみえてくるものです。ですが、インストールされているアプリに特徴がなければ、それを読み取ることも化なり難しいんです。みなさんならこの女性のホームスクリーンのどこに注目し、どうプロファイリングするでしょうか。

1枚目のホームスクリーンは、あえて個性を消しているのではないかというくらい、デフォルトのアプリケーションしか配置されていません。おそらく、誰かにのぞかれて大丈夫な偽装スクリーンではないのかと、おもわず邪推してしまいます。ところで、デフォルトのアプリケーションといえば、「ミュージック」「マップ」「safari」はよく使用しますが、「株価」や「Passbook」を使っているというひとは、そういないですよね。この女性も"仕事効率化"というフォルダに、より使用頻度の低いアプリを収納しているとおもうんです。

「仕事効率化」フォルダに使用頻度の低いアプリ!?

では2枚目です。これまでの女性たちは、カメラ系アプリを複数インストールしていることが多かったのですが、この女性は2つだけです。それも、けっこうポピュラーな「Instagram」などではなく「camera」と「超微音カメラ」です。「cameran」は、女性に人気の写真家・蜷川実花さん監修のアプリ。もちろんこれもポピュラーなアプリではありますが、「Instagram」をインストールせず、「cameran」一本でいくあたり。まわりに流されず差別化を図りたい個性的なタイプかもしれません。壁紙が自撮りのフラミンゴの画像のようですので、あまり写真に興味がないとはいえないとおもいます。

「cameran」一本でいくあたりに本人の性格が見える

ほかには、「じゃらん」「skyscanner」「iHandy 翻訳機」というアプリがインストールされています。国内外の宿泊施設を検索予約できる「じゃらん」、航空券を検索できる「skyscanner」、そして翻訳の「iHandy 翻訳機」と3つそろえば、海外旅行好きなんだろうなとおもいますよね。もしこの女性が旅行好きであるならば、「じゃらん」「skyscanner」を使うあたり、ツアーやみんなでグループ旅行というよりは、ひとりや少人数旅行が好きなんでしょう。ただ可能性としては、実際に旅行に行くというよりも旅行計画を空想してみるのが好きなタイプとも考えられます。

いずれにしても、みんなと一緒がいいというタイプでも、大勢でワイワイというタイプでもないような気がします。この女性とは、静かに向かいあってみるのがいいのかもしれませんね。

平松隆円…化粧心理学者/大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。国際日本文化研究センター講師や京都大学中核機関研究員などを経て、現在はタイ国立チュラロンコーン大学講師。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。よそおいに関する研究で日本文化を解き明かしている。NTV『所さんの目がテン! 』、CX『めざましどようび』、NHK『極める 中越典子の京美人学』など番組出演も多数。主著『化粧にみる日本文化』(水曜社)は関西大学入試問題に採用されるなど、研究者以外にも反響をよんだ。ほかに『黒髪と美女の日本史』(水曜社)など。